晴れている。
アマプラで公開中の小津安二郎監督「東京物語」(昭和28年公開)を見た。
尾道から東京へ。年老いた夫婦が成人して家庭を築いていた子どもたちに会いに夜行列車に揺られて東京へ向かう。長男は医者になっていた。長女は美容師。次男は鉄道マンとして大阪で勤務。三男は結婚していたが戦争で亡くなった様子でその奥さんが一人東京で仕事をしていた。長男も長女も仕事が忙しい。両親に付き切りというわけにも行かず、三男の奥さん(原節子)が東京見物に連れていく。
昭和28年ですでにこんなかんじだったんだね、と思った。もうその時点で物語に引き込まれていた。
長男と長女はお金を出し合って両親を熱海の温泉へ行ってもらうことにしたが、居心地が悪くて逗留はたった1日。東京に戻ると長女に予定があって泊められない事態に。三男の奥さんの部屋へ泊まらせてもらいにいく母親。父親は同じ尾道出身の人と深夜まで飲んだくれていた。
すぐ尾道へ帰ることになったが、帰りの列車の中で母親が体調を崩してしまう。東京の子どもたちには父親からお礼の手紙が届いたその矢先に「ハハキトク」の電報が舞い込んだ・・・。
この頃には「七人の侍」や「ゴジラ」も制作されているが、日本映画には家族を描くこの流れもある。
割と出演者のセリフなどがお芝居っぽいなと思いつつ見始めたが、次第にそういう違和感が消えていき、まるでドキュメンタリー映画さながらにこういう人物が実際に生きている、みたいに受け止めてしまっていた。笠智衆さんの存在感は独特。カメラアングルが低めで人物が出ている場面では俯瞰描写がほとんどない。見ているこちらはまるでカメラを介して彼ら家族の輪の中に居るような感覚になってくる。
お話は、母親の葬儀が終わってすぐに長男・長女・遅れて到着した次男たちはすぐに帰ってしまったのに対して、義理の娘なのにしばらく滞在してくれたことを感謝する父親の姿を描く。いい人が居たら籍を抜いて幸せになってほしい、と父親。だんだん忘れてしまいそうになる自分を責める義理の娘。父親は形見として懐中時計を渡す。義理の娘は帰りの列車でその時計を両手で握りしめていた。
しみたね。
4101歩 2.4km 141kcal 10.7g






