「TENET」

雨パラパラ。

今日は川崎までクリストファー・ノーラン監督「TENET」を観に二人ででかけた。折しも、映画館は座席を全面解禁して市松模様をやめていた。かわりにフード類はロビーでのみ可として、座席では飲み物だけ、という措置を取った。座席開放とフードの売上を天秤にかけたか。・・・市松模様のほうがゆったりしていてよかったな・・・。

で、映画。初っ端からすごい描写。キエフのオペラ座で演奏が始まる間際に特殊部隊のような武装した一団が突入する。チューニング中のようだったが、その音がちょっとおかしかった。一団はあっという間に劇場を制圧。空調に薬を流して観客を全員眠らせてしまう。銃もバンバン撃たれて大迫力のシーンだが、観ているこちらは何が起きているのか全然わからない。仕掛けられた爆弾はかろうじて無人の二階席で爆発して被害は軽減されただろうか。その一幕を主導した中の二人が捕らえられ、列車の引き込み線の中で拷問される。(どうやら)主人公が秘密保持のため用意された”毒”を服用してしまう・・・。
この間、観てても何が起きているのかまったくわからない。どーなってんだ?

あとで登場人物たちのセリフで浮かび上がってくるキーワードは「アルゴリズム」。これがなんだかわからないとこのお話の前提が何であるかわからない。映画を最後まで観たワタシには”全人類を一瞬で消滅させるような「武器」”のように思えてしまったが、違うらしい(^^;。時間を逆行させる「手順」なんだそーだ。

{未来}で「アルゴリズム」が発見されたが、発見者は悪用を恐れてパーツに分解してから”過去”へ送り込んで自殺した、という説明的なセリフあり。この映画は大事な”設定”をセリフでサラリと済ませてしまうことが多い。

{現在}のセイターという男(ロシア富豪)が「アルゴリズム」を集めていて、その最後のパーツが241と呼ばれているもの。なにがなんでも奪取しようとするセイターの組織と、それを阻もうとする「TENET」という組織のぶつかり合いの物語になっている。冒頭のオペラ座シーンはその一場面ってことらしい。
セイターは「アルゴリズム」の存在と”機能”をどうして知ったのか。描かれたのかもしれないけど、覚えてない(^^;。セリフでサラッと語らせたのかも。
「アルゴリズム」の完成を目論んで集めようとしているのはなぜか。それはラストにつながるネタバレになるから書かないけど、とても個人的な理由だった。セカイ系の影響なのかな。

プロットはわりとシンプルなんだけど、「時間逆行」というちょっとB級SFの香りがする描写映像をドドーンとやりたくて、お話は複雑怪奇になってしまったみたい。グルンと回転する「時間逆行装置」がいろんな場所に設置してあるんだけど、未来から送られてきたというくらいで特に説明もない。その装置を通過した人間の時間が逆行し始める設定。

まあ、それにしても、時間逆行描写のすごいこと。順行しているのか逆行しているのか、主観映像になると結局はわからないんだよね。「時間逆行ができる」と設定してしまうと、主体と客体の時間が並行して動くことはないはずだから、順行者と逆行者が組んず解れつ格闘するのはどういう解釈になっているんだろうなぁ・・・。

映画中盤で時間逆行の”面白さ”をこってり描写してしまうため、この物語がどこへ向かって流れているのかを見失ってしまう。たぶん、監督はわざと観客が混乱するように作っている。
時間の感覚が麻痺したところで、終盤の核兵器実験場での戦いへと移っていくんだけど、もうここまで行くと赤の順行軍と青の逆行軍が挟み撃ちして「アルゴリズム」を奪取すると言われても、なんで二手にわかれるのかさえわからない(^^;。そもそもアルゴリズムが完成しないように守る「TENET」って組織の構成員はどういう人達だったんだ?

アトラクションと思って気楽に鑑賞することが吉なのでは・・・。そもそも、時間は逆行しないんで(^^;。たぶん、監督はこの映画を”時間逆行するありえない世界”を映像で観せたくなったから作ったんだろうし。

10534歩 6.8km 397kcal 30.3g

チネチッタ
ILCE-5100 E30mmF3.5
2020-09-20 | Posted in 甘露日記Comments Closed 

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