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■甘露旬報

HOME > 甘露旬報バックナンバー > 甘露旬報2003. 07−09

2002年10月から2004年03月までトップページに連載いたしました。すべて当店にて取り扱った本です。

2003.09.21.

「Robert Capa Photographs」
              ロバート・キャパ写真集1985年 ニューヨーク刊 初版

  ロバート・キャパというと”戦場カメラマン”というイメージが強い。ところがこの写真集を読むと、彼の別の側面が見えてくる。
 表紙の写真を見てもわかるが、群集が街で熱狂している。写真集には戦場の緊迫した光景も収録されている傍ら、憔悴しきった姿で街を歩く人々の姿なども収まっている。
 氏のカメラは常に人の前に据えられ、人びとの姿をフィルムに定着し続けた。暴動も熱狂も、そして戦争も平和も、すべてその主役は人間なのである。
(コーネル・キャパ識語署名入 )

2003.09.11.

「ドリームエイジ」長野重一写真集
昭和53年 朝日ソノラマ 初版

  ”「黄金」の60年代”と長野氏はまえがきに書く。戦後からの脱却を目指し、日本はこの時代を全力で駆け抜けた。数字上では世界のGNP第2位の地位を獲得し、確かに日本は高度経済成長という黄金時代を謳歌していた。 ところが、報道カメラマンとしての長野氏はこの急激な変化に戸惑いを隠さない。「豊かな物質文明の描き出す黄金色の夢を見る反面では、なにか、かけがえの無い大切なものを失ってゆくような不安感にさいなまれながら、この時代を過ごしてきたようです。」 ”夢の時代”といわれた60年代。この写真集はそのひとつの記録でもある。

2003.09.01.

「COLOR2」森山大道写真集
1999年 蒼穹舎 限定600 

  1969年から1996年までにカラーフィルムで撮影された作品集。新宿、渋谷、横須賀はもとより、熱海、遠野、三沢、石巻などでも撮影されている。意外に昼間の写真が多い。
 アレ・ブレ・ボケで知られる森山氏の作風は、この写真集では抑えられている。退色したフィルムから定着された情景。少しノスタルジックを感じながら夜の写真を見ると、一気に”森山世界”に引きずり込まれる。
(署名入)

2003.08.21.

「ラヴ・ユー・トーキョー」桑原甲子雄
                  荒木経惟写真展
1993年 世田谷美術館開催

  江戸開府400年。東京になってからも130年余りの歴史があるこの街。人は街を造り、街は人を育てた。桑原甲子雄氏と荒木経惟氏はこの街で育ち、この街を撮影した作品を発表し続けた。
 東京を淡々と見つめた桑原氏の写真からは、華やかだった戦前の東京を伺い知ることができる。荒木氏の写真は戦後の繁栄の中で暮らす人たちの姿が中心に写し撮られている。
 全く違ったアプローチで二人の写真家が描いた東京の姿。こうして通覧することで、都市も写真も見る人によってフレキシブルに姿を変える存在であることがわかってくる。
 さらに詳しい説明はこちら!

2003.08.12.

「ARAKI」荒木経惟写真集
2002年 TACHEN 全世界限定2500部

 定価25万円で発売された荒木さんの”一冊全集”とでも呼べそうなレトロスペクティブ。その巨大さは発売前から話題だった。
 扉ページにはシリアルナンバー0000と荒木さんの署名が入っている。この本はそのサンプル版として市場に出たものだが、内容は発売されたものと変わらない。
 日本人の見る荒木世界と西洋人の見るアラキ・ワールドはかなり違うことが、この編集を通覧することでわかってくる。世界の人たちはこの東京=ARAKI世界をどのように見たのだろうか。

(サンプル版函本体少痛)

2003.08.02.

「聖なる世界」川田喜久治写真集
1971年 写真評論社 限定1000部

 西洋建築に施された装飾にはバロック(怪奇趣味)的なものが多い。解説の澁澤龍彦氏はヨーロッパへ行くと何処もバロックの洪水とまで言う。 何故、ここに、こんな装飾が施されたのか。
 バロックは美の対極として位置づけられる。人は本能的に闇を怖れたが、その恐怖を力でねじ伏せようとしてきた。抑圧された恐怖は澱のように人間の意識深くに沈み、バロックを生み出す。
 川田氏はこの具象化された”西欧人の怖れるもの”に対し冷徹・かつ執拗に視線を投げつける。
(函少痛)

2003.07.23.

「にっぽん劇場写真帖」森山大道写真集
1968年 室町書房 初版

 1960年代日本のアングラ・シーン。森山氏が撮り続けた写真に寺山修司氏が文章を付け、この写真集は完成した。
 今までにない写真表現に実験的な文章が添えられた。ざらついた画面とブレた風景。読んでいるうちに気持ちがざわつく。圧倒的な存在感。 日本を巨大な劇場に見立てる。その”にっぽん劇場”の中でにっぽん人を”演じる”人びとの姿を我々はこの写真集の中に見ることとなる。
 私「どこか面白いところへ連れて行ってくれ」 墓掘人夫「かしこまりました じゃあ一つ丈夫な靴をはいてて下さいよ」 墓掘人夫に導かれ、にっぽん劇場の奥深くへと迷い込んでみたい。

2003.07.12.

「戦場」沢田教一写真集
1971年 毎日新聞社 初版

 ピューリッツァー賞を受賞した写真家・沢田教一氏はライカM3とニコンFを首から提げ、戦場がひろがる東南アジア一帯へ身を投じた。 戦争を忌避したい気持ちは誰もが持っているはず。それでも衝突はこれからも絶対に無くなる事はないだろう。戦場では双方の人間がその存亡をかけてぶつかり合う。まるで何かに憑かれたかのように・・・。 沢田氏の写真からは、戦場の悲惨さよりもまず、武器を持たずには居られない人間の哀しい宿命を帯びた姿が強く伝わってくる。
 なぜ、人は、闘わずにはいられないのか。

2003.07.01.

「抱擁」細江英公写真集
昭和52年 朝日ソノラマ 初版

  細江氏が「おとこと女」を発表した後、撮影を開始したのがこの「抱擁」であった。前作では「抱擁」することのなかった男体と女体が「抱擁」することで、見る者にいろいろな示唆を投げかけている。 かの三島由紀夫氏はこの作品から「まるで戦ってゐるかのやうだ。」という言葉を引き出す。男女という異なった肉体のぶつかり合う緊張感が作品から迸っているように感じたのだろうか。
 ビル・ブラントを超えたかった細江氏の意気込みが伝わってくる。
(背日焼け有)

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