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■甘露旬報

HOME > 甘露旬報バックナンバー > 甘露旬報2003. 04−06

2002年10月から2004年03月までトップページに連載いたしました。すべて当店にて取り扱った本です。

2003.06.21.

「緊縛大全」篠山紀信オリジナルプリント
1971年 篠山紀信事務所 八切り

  篠山紀信氏の著書に「緊縛大全」というものがある。その作品中から選られた数点のカットに「Photograph By Kishin Shinoyama」と裏面にスタンプが押されている。 古書市場に一括して出品されたものを運良く落札することが出来た。手ごろな価格だったためか次々と売れ続け、いよいよ残りも少なくなってきた。
 出版に際して使用されたカットも一緒だった。トレース紙を貼り付けられ、トリミング指示が施されているのが興味深い。

(裏面篠山紀信スタンプ)

2003.06.11.

「地図」川田喜久治写真集
1965年 美術出版社 初版

  函から取り出したたとうを開けるとカバーに包まれた写真集が出現する。川田氏が最初に出版した写真集「地図」の独特な装丁だ。
 「われわれは・勇気も野心も行動も・そして美しい記憶もない時代を漂って生きてきた  問え!今日・われわれの地図はどこにあるか・われわれのヴィジョンと輝かしい秩序は−?」と函書きにある。
 あの熱い60年代を歴史としてしか知らない我々の地図は何処にあるのだろうか。そして、我々はどんなヴィジョンと輝かしい秩序を構築できるのだろうか・・・?
署名入)

2003.06.01.

「黒い太陽」岡本太郎著
1959年 美術出版社 初版

  岡本太郎氏の身体の中では常に芸術が迸っている。その湧き上がってくるエネルギーを、氏はキャンバスに、オブジェクトに、モニュメントに、文章に、と自由闊達 な表現をした。 常に新しいものを求めながらも、出来上がった作品には氏独特のカラーが著され、これはやはり岡本太郎氏にしか出来ないだろう、と見る者を唸らせる。すべてが氏のオリジナリティの反映だからだろう。
 表題「黒い太陽」は、かのゴッホが乗り越えるべきニヒリズムとして表現した言葉。文中で岡本氏はニヒリズムの克服を現代の課題とした。
(土門拳宛献呈署名入)

2003.05.21.

「AKT-TOKYO」荒木経惟写真展
1992.Camera Austria

  1992年オーストリア・グラーツで開催された荒木氏初の回顧展カタログ。非常に残念なことだが、このカタログは出来よりも一時社会問題化した”猥褻事件”で有名になってしまった。
 この展覧会のキュレーターは「妻・陽子との関係をめぐる作品、東京やヌードを主題とした作品」をセレクトの主眼に置いたという。東京を舞台に写真世界を構築した”ARAKI的写真世界”を通覧できる1冊。さらに詳しい記述は
こちら。

2003.05.11.

「犬神家の人々」寺山修司幻想写真館
昭和50年読売新聞社 初版

  詩人・寺山修司。氏の残した仕事は多岐にわたった。この写真集の主題は「変身と背理」。仮装した人たちの奇行する姿が収められている。モノクロプリントに関しては氏自身が暗室作業をしたと 記述がある。見事な仕上がりだ。
 写真には自分の願望までが写るという。この写真集を読んでいると、病弱だった氏の健康な肉体への変身願望が透けて見える気がする。 本文中「贋傳記」 で母親にぶつける独白が痛い。

(帯少痛)

2003.05.01.

「サン・ルウへの手紙」森山大道写真集
1990年河出書房新社 初版

  「写真がうまれたあの夏の日のために」と帯書きにある。写真を発明したニエプスが最初に撮影したのは、サン・ルウに降り注ぐ夏の日の太陽だったという。
 コントラストの強いざらついた風景。身近のありふれた風景に思えながらも、すでに手の届かない場所に去りつつある掴みきれないもどかしさも感じる。
 写真の生まれた日。ざらついた太陽。手の届かないあの日の空。
(少々書入・帯痛)

2003.04.21.

「パリ」木村伊兵衛写真集
昭和49年のら社 初版

  木村伊兵衛氏は昭和49年に72歳で亡くなった。その直後に出版された写真集である。 掲載された作品は1950年代に撮影されている。氏はパリを撮ったユージェーヌ・アッジェ氏を大変尊敬していたという。思い入れの深いその撮影地をカメラを携え歩くとき、特別な感慨が全身を貫いたに違いない。
 石畳の街角、路傍のカフェ。ごく自然な街の表情が写っている。どうやってこんなにまで自然に撮影できたのだろうか。坂の上から見た夕景。いつまでも眺めていたい気持ちになった。
(付録付)

2003.04.11.

「ナディア」沢渡朔写真集
昭和52年朝日ソノラマ 初版

  ナディアという女性の物語である。沢渡氏は彼女をいろいろなテーマから1年間追った。森で、都市で、夜の街で。
 モデルとなったナディアはイタリア人。沢渡氏のカメラの前ですべてをさらけだした。巻末に載っているインタビューを読むと、自分の想いと周囲の反応 のギャップに戸惑う彼女が居た。自然な姿を撮られたいと思う一方で、”巧く”撮られたいと思い始めている自分に気が付いた。 時は人を変えていく。カメラを触媒として作り出された”ナディアの時間”は、1冊の写真集としてこの中に封印されている。

2003.04.01.

「東京昭和十一年」桑原甲子雄写真集
1974年晶文社 初版

  戦前の東京は華やかだった。浅草区仲見世、下谷区上野のカフェ、京橋区銀座のレストラン風景。荒川区、板橋区での子供たちの様子。どの写真も当時の風俗が垣間見えて興味は尽きない。
 桑原氏は東京風景を淡々とライカにエルマー50mmの組み合わせで撮影し続けた。その膨大なネガを発見した荒木経惟氏は、興奮しながらプリント作業をかってでたという。
 本書は扉ページに土門拳氏宛ての献呈署名が入っている。土門氏はこの写真集をどのように読んだのだろうか。

(土門拳宛献呈署名入)

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