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■甘露旬報

HOME > 甘露旬報バックナンバー > 甘露旬報2003. 01−03

2002年10月から2004年03月までトップページに連載いたしました。すべて当店にて取り扱った本です。

2003.03.21.

「王国」奈良原一高写真集
昭和53年朝日ソノラマ 初版 

  北海道のトラピスト男子修道院と、和歌山の女子刑務所。一見全く別の場所に思えるこの二つの場所に共通するのは、外界と「強制隔離された」空間であるということだ。
 外の世界と隔絶する「壁」の存在。”外にある現実と内にある心の領域”。奈良原氏はこの二つの場所で生活する人たちを撮影する事によって、奈良原氏自身の中にある外(現実)と内(心の領域)とのギャップが融合していく感覚を体得することができたという。

2003.03.11.

「COLOR」森山大道写真集
1993年蒼穹舎 限定600 

  全41点の風景がカラーフィルムで撮影されている。茅ヶ崎の女性ヌードから始まり、新宿、大阪、千葉、遠野、熱海、小諸、そして横須賀の風景が描かれる。ノーファインダーで撮影される森山氏の撮影スタイルは微妙に水平線を傾かせ、次第に見る者の平衡感覚を奪ってゆく。
 ’72年に「写真よさようなら」を出版して以来’82年まで新作の発表がなかった森山氏。その空白期間に撮影された作品も収録されており、興味深い編集となっている。

2003.03.01.

「TOKYO NUDE」荒木経惟写真集
平成元年マザーブレーン 初版 

  荒木氏の写真世界の中で重要な位置を占める東京写真。”なにげない日常にこそ撮るべき風景がある”という荒木氏の主張はレベルの高い作品を発表し続けることで説得力のあるものになった。 荒木氏の撮影する東京の姿には憂いを帯びた作品が多い。常に変化し続ける東京の様子に氏は独自の視点を保ちつつ、対峙し続けている。 もう一つの柱だったヌード写真と東京風景を融合させる試みがこの写真集で行われた。名編集者・末井氏とのコラボレーション。荒木的写真世界はこの作品で一つの頂点を極めたように思う。さらに詳しい記述はこちら

2003.02.21.

「砂丘・子供の四季」植田正治写真集
昭和53年朝日ソノラマ 初版 

  植田氏は鳥取を舞台にした作品をライフワークとされた。砂丘は”天与のホリゾント”となり、独特の人物配置・アングルとあいまって”植田的世界”を構築した。
 モノクロ写真上では、砂はますます白く、空は白い雲をたたえながら絶妙のグラデーションを著す。花を持った少女、風船を膨らませる少年の横顔。読んでいるうちに幼少期への憧憬が胸の奥底から漂いはじめる。

2003.02.11.

「洋子」深瀬昌久写真集
昭和53年朝日ソノラマ 初版 

  写真家によって女性のとらえ方はいろいろあるだろうが、深瀬氏の”被写体”としての洋子さんへのかかわり方には凄味を感じる。写真集の中からは必ずしも彼女を女性としてとらえず、何もかも見抜く鋭い視線を投げかける”存在”に対抗するようなアプローチでカメラを向ける氏の必死さが伝わってくる。
 屠殺場、結婚式場から始まったこの物語は、烏の群れが飛び立つ絵で終わっている。この写真集が出版される時には、お二人はすでに離別していたという。

2003.02.01.

「日本」東松照明写真集
昭和42年写研 初版

 日本の戦後写真史を概観するとき、60年代に入ってから大きな転換期を迎えたことを確認できる。東松氏の広範な写真活動は次第に世代を代表するものとなっていく。
 この写真集では日本の土俗的な風景の描写のあと、廃墟の静謐な写真が続き、後半部分では占領軍が重点的に描かれている。 敗戦と占領。氏は中学4年生の8月、玉音放送を聞き、終戦を経験した。昭和20年8月に日本の歴史が一旦断絶する空虚な経験が、この作品に色濃く反映されている。

2003.01.21.

「ダイアン・アーバス作品集」
昭和47年毎日新聞社主催写真展

  この写真展に付けられた副題に「ヒューマニズム−そのもう一つの世界を追求した女流写真家」とあるように、彼女は他の写真家があまり撮りたがらない人々の姿にレンズを向け続けた。活動の時期は1959年から12年ほどで、1971年に自らの命を絶つことにより不意に中断されてしまった。
 写真展のカタログとはいえ、彼女の死後すぐに編集されたということもあり、作品を概観するにはよい資料と言える。編集を担当した実の娘ドゥーン・アーバス氏の献呈署名入り。

2003.01.11.

「THE JAPANESE BOX」
平成13年限定版

  古書市場でも入手困難になっていた写真集6点の復刻版セット。 「センチメンタルな旅」荒木経惟(1971)、「写真よさようなら」森山大道(1972)、「来るべき言葉のために」中平卓馬(1970)、プロヴォーグNo1、No2、No3(1968−69)が収録されている。黒い木製のボックスに収められていて、瀟洒な印象を与える。
 原本の古書価を考えると、とても割安な価格設定で発売された。「センチメンタルな旅」についてはこちら

2003.01.01.

「ヨーロッパの印象」
昭和31年初版・朝日新聞社

  木村伊兵衛第2回外遊写真集。木村伊兵衛氏といえばライカM3を駆使したスナップ写真が著名である。本書はドイツ、ウィーン、パリなどヨーロッパで撮影されている。切れ味のよいスナップの腕は 遠い異国の地でも遺憾なく発揮されており、有名な「地下の酒蔵」「祭の始まり」も収録されている。
 本書は著者木村伊兵衛氏が土門拳氏に献呈した貴重な署名入り本。

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