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■ローライ35オーバーホール顛末記

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 2001年8月6日。夏の家族旅行の際に誤って川へ落下・冠水したローライ35をロイカメラサービスさんにオーバーホールを依頼した。この経過を修理記録のために書き残しておきたいと思う。

 2001年8月1日。伊豆の修善寺にある「虹の郷」まで家族旅行で出かけた。中に川遊びができる場所があって、そこで遊ぶウチの子供たちの姿を撮影していた。そのとき撮影に夢中になっていると「ごそっ」と音がしてカメラバックから滑り落ちるものがあった。tamracのウルトラライトトラベラーというカメラケースに入れておいたローライ35だった。ちょろちょろとしか流れていない川のホンの際にポチャっと音を立ててカメラケースごとローライは冠水した。あわてて拾い上げ、ケースから出してみると、ファインダーの中にまで水が少量だが入っていた。手に持っているうちに見る見るファインダーが湯気で曇っていく。応急処置として表面に付いた水滴をふき取り、フィルムを抜いて裏蓋をあけて陰干しにした。シャッターはちゃんと切れ、露出計も動いていたが、巻き上げが空回りするようになっていた。

 旅行から帰ってからロイカメラサービスさんに電話を掛けた。オーバーホールの依頼である。すると、ロイカメラのTakekawa氏から「宅配便でお送りいただければお見積もりをお出しします。」と答えていただいたので、早速ゆうパック便にて発送した。しばらくしてから「お預かり書兼連絡書」と案内書が封書で送られてくる。内容は以下のとおり。

『お預かり書兼連絡書』

MODEL Rollei35(CH) s  BNo.32722xx Tessar 1:3.5 f=40mm LNo.55997xx
(有償) ショック落下 電池漏液 分解品 オーバーホール

外観(上カバー)傷、6mmほか打痕、凹み少々。(下カバー)右サイド凹み、アクセサリーシュー少々変形、スプリング錆・傷。(右サイド)スクリュー代用品。(左サイド)凹み、傷少々。(後ろ)打痕1、リベット欠損、接眼フレーム打痕少々。

レンズ 前玉レンズ表面がカビ跡くもり残り。

巻き上げ・巻き戻し 巻き上げレバー傷7mm。

露出 漏液

記事 巻上げ組み直し、ファインダー対物グラス周辺部汚れあり(接着剤?)クリーニング(但しコートはがれる恐れ)上カバー取り付け交換、ヘリコイドグリース交換、レバーあてプラスキャップ欠品補充、ピント、バッテリーコンタクト&cdsセル交換、メーター感度 スピード レンズクリーニング(但しカビ跡くもり若干残ります)他オーバーホール

完成予定 2〜3ヶ月後

見積料金 工料¥16,000 部品¥4,000 合計 ¥20,000 (以上)

 8月6日付けでこの詳細な見積書を送っていただいた。即日(8月6日)に電話で修理進行の旨をお伝えする。なお、ロイカメラさんの場合、この時点で修理進行を希望しなければ、見積料無料、返送料負担のみで送り返してもらえる。

 実に細かく見ていただいている。今回は直していただかなければ使えない状態だったので二つ返事で修理進行をお願いしたが、これだけ診ていただいて「送り返してくれ」と希望する人が居るのだろうか?と思う。ローライ35は未だに人気が高く、製造が終了した現在も度々ローライから復刻されているから、保守部品は潤沢に存在するので完全なオーバーホールが可能とのこと。

 それにしてもファインダー対物グラスの周辺部が接着剤で汚れていたり、代替品が使われていたりする「分解ショック落下品」であったことなど、今回初めて知った。ちょっとショック(^^;。

 そして、11月5日、修理完了通知のはがきが届いた。金額は見積書どおりの¥20,000に返送料¥640が加算された¥20,640。早速その日のうちに指定口座へ振り込むと、翌6日朝には宅急便で品物が到着した。

 納品書には以下の使用部品が使われたという明細が記入されていた。

バッテリーコンタクト1、cdsセル1、レバー当て1、B級ファインダーハウジング1、ネジ2

 そして見積書の複写として入っている納品書の記事欄に「ファインダー枠B級交換」と記入されていた。確かにファインダー枠の像が前と少し違っているような気がする。交換は見積の段階で指摘されていたファインダー周辺部の接着剤の影響なのかもしれない。

 この納品書には丁寧なローライ35の取り扱い説明が添付されていた。その一部を抜書きしておく。

このカメラに使用する水銀電池(MR−9 1.35V)は1995年12月末で国内では製造中止となりました。舶来製品を取り扱っているお店で中国製、ドイツ製など外国製の電池を販売している所もありますが、入所困難な場合はアダプターが販売されていますのでご使用下さい。定価は¥2,900です。SR44(1.5V)の電池をはめ込み使用します。

(電池とカメラの取り扱い上の注意)
電池は容量が残っていても古いものは漏液しやすくなりますので危険です。又、一年中で高温多湿の時期が一番漏液の危険性が高くなりますので、電池はカメラから取り出して保管し、使用前には簡単な漏液チェックを行い、安全を確認して漏液事故を未然に防いでください。
電池が漏液してくると(−)接片が臭いはじめ、その後液がジクジク滲み出てきて水滴状になって流れ出します。(−)接片を指でこすって臭いを嗅いでみてください。#チェックのあとは接片をきれいに拭いて下さい。

(保管)
皮ケースはカメラから取り外して、ホコリのかぶらない通気性のよい乾燥した場所で保管して下さい。皮や内張りの布は手の汗や湿気を吸収します。特に高温多湿の時期はカメラ本体が蒸された状態となり、湿気が徐々に内部に浸透し、カビ、サビを発生、レンズのコーティングを侵蝕、金属パーツを腐蝕破損し作動不良等の要因になります。レンズのカビは清掃することによって除去出来ますが、レンズの生地を侵蝕した跡は白濁色に残って、状態が悪くなるほどソフトフォーカスになり抜けの悪いものになります。長期間ご使用にならない場合でも、2〜3ヶ月に1度は必ずスローシャッター(特に1/2、1/4)を数回、お天気の良い日に太陽光の下で切って下さい。レンズ内部よどんだ空気を攪拌させることによってカビの発生やスローの油切れも防ぎます。

(カメラの取り扱いについて)
このカメラは沈胴式です。誤操作や乱暴ないいかげんな操作をされますと、鏡胴チューブの溝で(真ちゅう製)ボディ側の沈胴上下ガイドレール(アルミニューム製)を削り落とし、アルミの地肌や銀色の切粉で内面反射を起こし、沈胴時の引掛りの原因や部品を破損させますので操作は手順通り確実に行って下さい。

ご使用される時は
レンズを静かに引き出して止まった所でレンズ鏡胴を右方向へカチッと音がするまで廻します。これでレンズは固定され撮影できる状態となります。
レンズを沈胴させる時は
沈胴ロック機構がダブルロックになっているため
1)巻上げレバーを巻き上げて(最初のロック解除)
2)レンズ沈胴ボタンを押しながら(もう一つのロック解除)
3)鏡胴を左方向へ廻し、止まった位置で静かにレンズをボディ内に収納します。
どちらか一つの解除を忘れても沈胴は出来ません。

#フィルムは規定枚数以上撮影出来ません。
規定枚数以上巻き上げますと、フィルムが切れたり巻き戻しが出来なくなります。

(電池の入れ方)
パトローネ室上部の電池蓋(4箇所溝のあるパーツ)をコインで反時計方向に廻して電池蓋を取り外します。水銀電池の(+)(−)を間違えないように入れて蓋を元通りに締めて下さい。
#ボディ側の溝を変形させないように、一端左方向に少し
廻して溝に合わせ、平行に廻して締めて下さい。

どうぞ良いコンディションを保ち、末永くご愛用下さい。(以上)

 ローライ35の保管と取り扱いはここに記されている方法がベストと思われる。露出合わせやピント合わせのなどの操作方法については記述がないが、それは写真を他のカメラで撮影したことのある人ならば、正しく取り扱っているうちに自然とわかってくることでしかない。

 確実な作動、滑らかな操作感が蘇っていた。これが新品当時のローライ35の持つ実力だったのだろう。

2001年11月6日記


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