河口湖スペシャル その2

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 日焼けした足もキツイし、バスも居るようだからここでしばらく釣ってみよう。そう思い、この場所で釣りを続けることにした。その中学生は狭いワンドの両岸を行ったり来たり、岩場に登ったりしていろいろと無茶をしていた。あれで釣れればいいけど…と思っていたら、いきなり岩場の上から1本釣り上げてしまった。結構大きくて30cm以上はあろう。ううむ、また見ている前で釣られた…。彼にはバスが見えていたようだ。見えバスを釣るには岩場などに登って気配を消す工夫が必要だ、と考えてのことだったのだろう。…なかなかやるな…。というか、ワタシがやれてないだけだった。

 ロイヤルワンド東端の岩場

 さっき目が合ったバス、中学生が釣ったバス、やはりロイヤルワンドの東端に位置するだけに魚影は濃いようだ。それからはとりあえず1本を目指すため、プラグをあきらめ、全面的にワームを投げることにした。テラーを投げるために持ってきたスコーピオンABU2500C。結局プラグは効かず、今回もベイトでノーシンカーをする羽目になった。ワームはゲーリーヤマモトのカットテールワームパープルペッパー。この色はHIDEさんのオススメだ。

 方針は決まったが、それから長い時間が流れる。時間は4時を過ぎた。未だに一度もバイトがない。あせりとあきらめが交錯する。ワタシから少し離れたところで中学生がわらわらとたくさん集まり、投げ始めた。すると、とたんにヒットしたヤツが出た。中学生はいま夏休み。地元の釣り好きな子供は毎日のようにここへ通って来ているに違いない。何を使えば釣れるかは雑誌の情報頼りのワタシなんかよりも彼らのほうがケタ違いに詳しいはずだ。ワーム勝負の場合、バスは針先に付いたものだけを見て食いついたりそうでなかったりする。そしてこれだけ粘っているワタシにヒットがないというのは、やはりルアーに問題があると考えるのが自然だ。彼らは何を使っているのだろうか。目を凝らす。スピニングロッドの先についているもの…。うーむ、どうやらゲーリーのイモグラブだ。

 ゲーリーヤマモトというルアーメーカーの大ヒット作である4インチグラブは河口湖の定番と聞いていた。それについているテールをちぎり、まったくのイモ状態にしてフックにかける。これをフライング・イモグラブといい、プレッシャーの高い場所では良く効くという。命名者はかのトーナメンターイマカツ(今江克隆)だ。

 真似するといってもなぁ、ちょっとためらわれた。それに4インチグラブを今日は持っていない。ワームでさえ釣れるのはアタリマエといわれるのに、イモグラブまでいけばDRAGONさんらTOPの方々の言う「ほとんど餌状態」だ。そんな余裕も無いくせに、もう少しで、あと少しで釣れる、と先送りし、とうとうカットテールつけっぱなしで5時近くになってしまった。快晴だった空はいつしか夕立もきそうな曇り空になっている。近くにあるホテルの遊覧モーターボートのおじさんは「これから大雨が来るから気を付けろよー」と大声で怒鳴る。確かに向こう岸の山の斜面ではシャワーのように雨が降っているようだった。そんな中、中学生はそれからも1本、2本と釣り続けた。ううう、悔しいなぁ…。ケータイが鳴った。女房からだ。「どう?釣れた?」まだなんだよねー。「今、富士急の河口湖駅だからこれから歩いて宿まで帰ります」そうか、雨が降りそうだから気をつけてねー。電話を切った。雨具も持っていない。本格的に降ってきたら撤収しなければ。それにそろそろ夕食の心配もしなければいけないなぁ。残された時間はいよいよ少なくなってきた。

 5時を過ぎた。ええい、仕方ない、カットテールワームをさらにカットして短くしてしまおう。半分に切り、テールのある方を捨て、胴体をフックにかけてスリムイモワームのようにして投げた。しばらくして遠くから息子の声がする。宿から近いこともあって様子を見に来たようだ。「おとうさーん、まだつれないのー?」ううううう、子供は正直だからキツイことをなんのためらいもなく言い放つ。「じゃ、がんばってねー」と宿へ戻っていった。

 ロッドを立ててリーリング。すると抵抗感があった。また根がかりかいな、ヤレヤレと思った瞬間、横に走り始めた。おおっ!かかっているじゃないの!白い腹が見えた。この感触は久しぶりだ。ほとんどファイトもなく、すぐに上がってきた。計ってみると21cm。やはり小さかった。6月に亀山湖で28cmのバスを釣って以来である。本当に久しぶりになってしまった。ボーズをやっと脱出。長かった…。ホッとしながらゴソゴソとカメラを構える。その様子を見てそばのおじさんが「写真、撮りましょうか」と言ってくれたが、サイズがサイズだけに遠慮させてもらった。

 河口湖での初バス21cm

 ワームで釣るとき、最初はなかなかバイトの瞬間の感覚がつかめない。今回も釣れると思っていなかったためか、合わせが遅れてしまった。そのため、フックは少し飲み込まれている。写真を撮ったあと、針はずしで悪戦苦闘し、やっとはずすことができた。うーむ、もしかしたらこの21cmは弱って死んでしまったかもしれない。かわいそうなことをした。

 どうやらこのスリムイモワームはイケそうだ。釣れるとわかれば対応も出来る。バイトに対してしっかりあわせてやるゾ、と眠りそうだったやる気が切り替わり、スイッチONになった。縁起を担いで同じワームを付け直して投げる。ゆっくりゆっくり引いてくる。ぐんっと根がかりに似た重みかかったところであわせる。するとぐぐぐっとラインが横滑りし始めた。ん!二連チャンだ。びびびびび、と生き物の感触。しかし、巻き始めたところでばれてしまった。バイトに対してあまりにも早くあわせすぎたのだろう。フッキングが十分ではなかったようだ。

 釣れるぞ。時間が5時を過ぎていい状態になったからなのか、この餌すれすれのスリムイモワームが効いているのか、良くわからなかったが、投げれば反応があるような気がして楽しくなってきた。宿の夕食の時間も気になるし、6時がタイムリミットになりそうである。それまでどれだけ釣れるだろうか。気持ちも急に前向きになった。それにしても河口湖のバスは動きでは食べてくれないんだなぁ。つくづくスレているバスくんたちだ、と思う。

 5時半過ぎ、再びヒット!今度はうまく合わせることができた。さっきよりも引きが強い!これは期待できそうだ。スコーピオンは先調子なので、ロッドを立てるとバスに対してパワーが直接伝わる。そのため、あまり時間がかからないうちに手元まで寄ってくる。なかなか強いバスだと思ったら上げてみると35cmであった。あわせのタイミングもぴったりだったようで、今回はフックを飲み込まれることもなく、ちゃんと口に引っかかっている。35cmなら河口湖としては大きいサイズだと思うし、ワタシのバス新記録である。写真写真、写真を撮らなければ、とウエストバックをまさぐっていたそのとき、ぶるぶるッとバスが震えたと思ったらポチャン、と勝手に戻っていってしまった…。あああああッ、せっかく記念すべきサイズだったのに…。ううう、くやしーッ。そりゃ写真を撮ったら戻す気でいたけど…、せっかちだなぁ。

 その後も一度バラシがあり、ワタシの初めての河口湖釣行は2匹釣り上げ2匹バラシ、という結果になった。数字だけ聞けばそれなりに楽しめたと言えるのかもしれない。しかし、実際に動きがあったのは最後の1時間であり、それまではただただ日に焼けただけで時間は過ぎ去った。宿に戻り、お座敷で食事を、と膝を折った瞬間、半ズボンで焼けた足の日焼けが度を越していたことに気が付いた。その日は展望風呂に入れなかったのはもちろん、逆に部屋のユニットバスで足を水風呂に漬けて冷やさなければいられない状態になってしまった。日焼けにはくれぐれも気をつけましょう。

1999年8月記