亀山2連敗

HOME > KANROKANRO > BASS > 1999年7月その2

 バスではなかったが、プラグで魚を釣る事が出来た。やはり釣ってみない事にはどういうタイミングでアタリがあるのか、どんな感触がアタリなのか、そういう言葉では表現が難しい部分をつかむ事が出来ない。雷魚とはいえ、吸い込まれるようなアタリの感覚ははっきり覚えているし、バスのアタリだってこれと大きく違うという事もないだろう。とにかく大きな自信になった事に変わりはない。

 6月の終わりごろからインターネット上で交流させて頂いているDRAGONさんたちと、バス釣りでも一番高度な釣り方に思えるトップでの釣りについていろいろとお話を伺っていた。話をしているうちにたまたま7月18日の亀山湖釣行と日程が合致し、亀山湖で待ち合わせをしてお会いする事になった。連絡を取り合う為にも、ケータイの番号をメールで流した。

 1999年7月18日日曜の深夜。釣り部のメンバーは先に亀山湖へと向かい、いつものように午前3時過ぎにはオカッパリを始めているはずだった。午前4時過ぎ、久留里の手前を走っているとケータイが鳴った。HIDEさんからかな?と思いきや、なんとDRAGONさんからであった。「もしもし、はじめまして」あ。はじめまして。本当にはじめましてなのだが、ネット上でお話をしているだけにどこか初めてのような気がしなかった。「今さっき、亀山に着きましたー」えー、早いスね。ワタシはまだ久留里の手前でーす。もっとも、久留里を過ぎてしまうとワタシのJ−PHONEは圏外になってしまうのだ。「亀山湖は超満水っすよ」あ。ほんとですかー。そりゃきついなー。確かにここ数日は梅雨末期の大雨があり、満水は予想できた。「今日はよろしくお願いしまーす」こちらこそよろしくでーす。と電話を切った。DRAGONさんはよりともボートさんからいつも出ている。私たちはのむらボートから出る為、結構距離があるのだが、朝8時ころにのむらボート桟橋まで来てくれるということになっていた。

 4時半。オールナイトニッポンが終わる頃、亀山湖ののむらボート前に到着。辺りはもうかなり明るい。皆すでにオカッパリをしているか、と思いきや、なぜか駐車場の車の前にいた。おはようございまーす。どうしました?「いや、増水しててオカッパリができないんだよね」とHIDEさん。確かにこの間までの亀山湖とは全然様子が違う。名物のゴミと流木、水草がそこら中に浮いている。ワタシが5月に亀山湖へ初めて来たときもこんな様子だった。あの時は釣れたけど午後遅くなってから1匹だけだった。今日も苦戦が予想された。

 今日は、MANABUさんとRYOHEIくん、TOMOMIさんを除いたいつものメンバーに、神保町を駆け回っている運送屋さん勤務のMORIさんも加わった。神保町を廻る運送屋さんは多いが、いつも必死の形相で駆け回っており、声さえかけづらい。さすがHIDEさんはそんな状態の人にも上手く声をかけて、釣り好きと聞くやすぐに合流させてしまう。うまい!

 さて、オカッパリが出来ないということであったが、ワタシだけABU2500Cを投げたくて、まどか岬にあるいつもの格子のあるシャローから何投かしてみた。なかなか軽くて投げやすい。投げやすいと調子に乗ってプラグまで投げたが、流木に引っかかってロスト。どうも新しいギアを入れたときにはあまり良い事が起こらない…。5時ちょっと前までオカッパリをしたものの、結局はアタリなし。ボートへと移った。

 SHAさんと同船する事になった。今回初参加のMORIさんは昔釣りをやっていた頃のタックルを持参したとの事で、ヘドンのクレイジークロウラーなどが付いている。投げても流木やゴミに引っかかり、「あ。駄目だ。泳いでくれないや」とぼやいていた。でもいきなりトップとはなかなかのやり手であろう。

 のむらボートから出るときのポイントは亀山大橋下流れ込み。橋をくぐってすぐの竹やぶ下。午後はここが日向になる為、午前中に攻めておきたいポイントだ。しかしにごりが出ており、ベイトで雷魚を釣った例のプラグを投げたり、スピニングでセンコーを投げるものの、二人ともアタリなし。途中、ホームページを開設する為にはなにが必要か、という話題になった。SHAさんもHPを制作する予定があるようだ。ワタシはお金を出来るだけかけないようにするため、ホームページマガジンという雑誌の付録を駆使して作ったという旨を伝えた。ひとしきりHP制作のネタで盛り上がるものの、バスを釣る方で盛り上がれない。アタリがない。竹やぶ下の端まで行った頃に8時に近づいた。HIDEさんの船も連れてDRAGONさんとお会いする為、桟橋付近へと一旦戻った。

 目印は迷彩服と帽子と髭と聞いていた。8時を過ぎたもののそれらしい人は現れない。HIDEさんのケータイを借りてDRAGONさんにTEL。もしもし。甘露です。「あーどうも」今どちらでしょうか。「あー。もう着きましたよ」え?と思い、見渡すと迷彩服と髭の人がボートの上から手を振っていた。

 しばしの自己紹介時間を過ぎた後、DRAGONさんのタックルを見てびっくり。ZEALのアマゾンボックスには釣り具屋の店頭では見た事のないZEALのプラグが山ほど入っていた。おまけにロッドはプッシュウォーター。リールはZEALイクシオーネ。それぞれカシワギスペシャルカオリスペシャル。こりゃすごい!「甘露さん、それがABUですね、いいっすねー」とDRAGONさん。いやいや、とてもDRAGONさんの足元にも及びません。ZEALの入手しにくい状況を知っているワタシはすごく興奮したが、ほかの皆はきょとんとしていた。「なにか一つ貸しますから使ってみて下さいよ。今度のオフ会で返してくれればいいですから」ありがたいお言葉。それじゃ、と気軽に一つお借りした。アンカニーチャップ。いわゆる口があるダータータイプのプラグだ。初めて触れるZEAL。この目はどうやって作っているのだろう。この目一つとってもこのプラグに引き込まれる。よりともさんから40分かかったというDRAGONさんと次の日のオフ会での再会を約束し、のむら桟橋前で別れた。

 その後、定番のつばきもと付近へと移動。増水のため、この間までいいシェードを作っていた木は水に浸かっている。水が増えた事で天井が足元まで落ちたようなものであり、不思議な感覚だった。HIDEさんはゴミのなかを攻めている。ばしゃ!「よっしゃぁー」とHIDEさん。おお!かかったねー。ゴミたまりの下へ投げ込んだカットテールワームの紫に反応があったらしい。ダイコーカリスマスティックにシマノのステラのタックル。ある意味では最強の組み合わせである。長さを測ると37cmだった。

 ゴミの中から出したバスとHIDEさん

 にごったから釣れないという言い訳はこれで通用しなくなった。アタリづらいものの、絶対に当たらないわけではないことになったのだ。ケツを叩かれ、白鳥島のつばきもとと反対側でしばし投げるもののアタリなし。時間は過ぎ、12時が近くなったので食事のため桟橋へ戻った。食事の時、「んー、なんかつまんないね」とHIDEさん。たしかにワタシもHIDEさんもプラグでバスを釣っていない。やはり漠然とだが、ワームでガマンの釣りを強いられて何匹か釣るよりも、プラグで一匹釣る方が楽しいと感じているような気がする。それは雷魚を釣ったときにも思った。午後はプラグを投げてみようかなー。

 午後、パターンをつかめないまま、また午前中と同じコースを順に舐める。せっかく借りたアンカニーチャップである。使ってみたい。しかし、肝心の使い方がよくわからない。DRAGONさんにちゃんと聞いておけば良かったかな、と後悔した。ま、使っているうちに分かってくるでしょう、とベイトに結んでとりあえず開けたところで投げてみた。ポチャッと着水した後は浮いている。ロッドでぐっと引っ張ると「ごぼぉー」といいながら少し潜り、またぽかっと浮いた。ただ、借りたものだけにロストはしたくない。朝一で一つロストしているだけに気を付けたい。今回は様子をうかがっただけでよしとした。そんな葛藤を感じているうちに、つばきもとのあたりで同船のSHAさんがシェードに通したカットテールワームにバスがヒット。カットテールはひとつの亀山アタリパターンのようだ。やはりシェードである。

 結局一匹も釣れないまま、船を下りる時間になった。聞くとKENTAくんもボーズという。ワタシともども亀山2連敗になってはたまらない。HIDEさんたちはすぐに帰るそうだが、ワタシとKENTAくんは残ってオカッパリをする事にした。しかし、6時半まで粘るものの、KENTAくんともども、一匹も釣れなかった。亀山2連敗である。くぅー、くやしいッ。帰り際、ボート屋の前に佇んでいた猫を写して帰った。

 のむらボート居着きの猫

 次の日の月曜日。7月19日にDRAGONさん率いるTOP ONLY FISHERMAN’S(TOF)の第一回会合が渋谷で開かれた。その席でJBさんからZEALのテラーを一つお預かりした。がんばって釣ってみたいと思いながら、その日は帰路に着いた。

 亀山2連敗。釣りに行って釣れないというのは、基本的に悔しい。帰り道にどんな言い訳を考えても釣りに行っているのに釣れなかった事実を消せるものではない。これが2度連続すれば運が悪かったということさえ言えなくなってくる。こういう鬱積した気持ちを押しとどめておく事は難しく、ワタシの場合何らかの形をもって現れる。

 そんな時上州屋へ行ってしまうのは危ない。でも、その場で身近な多摩川で釣れる魚、鯉をフライで釣っている人たちの絵が頭に浮かんでしまった。ルアーロッドでフライを投げられるようにしたオモリのようなものをマミヤが出していた。それを手に取り、最初からフライロッドを買おうかどうしようか迷いながらも、ルアーロッドがもったいないから、とマミヤの出しているフライキャスターなるものを購入。訳も分からないのにテーパードリーダー、フライをいくつか購入し、日曜日に備えた。

 日曜日、快晴。多摩川へ朝5時頃には到着。そこでフライキャスターをベイトにつなげ、投げた。鯉は結構いつも同じ場所をうろうろしている。しかし、ベイトで投げても、バックラッシュが多い。リーダーをバス釣りでは考えられないほど長く取るので、キャストの時に引っかかったり、バランスが悪くてうまくないようだ。2回に1回はバックラッシュをした。時間が経つにつれてまわりにはいつものフライマンがずらりと並び始めた。皆さん、キャストをはじめ、ラインの扱い、ロッドの振り方など堂に行っておりとてもワタシのようなシロート釣り師の及ぶところではない。バックラッシュを連発するワタシを尻目にいくつも鯉からアタリを取っていた。

 そんな中、コツンという感覚もなく、ラインがすーっと横滑りした。これはアタリか?と思い、合わせると、ぐぐぐんっとバスよりもキツイ感覚がロッドから伝わってきた。おお!これが鯉のアタリか!とロッドを立ててリールを巻きはじめた瞬間にバレてしまった。なかなか難しい。しかし、その後も一度アタリがあり、シロートが何も分からずに始めたわりにはそれなりに満足のいく結果が出た。なんといっても引きが強い。これは大きな魅力である。その日の午後、再び上州屋へ赴き、初心者用フライセットを購入してしまった。我ながら行動が単純だと思った。

1999年7月記