六月の終わりに発売されるバス関係の雑誌は、こぞって夏特集としてTOPウォーターを中心に紹介されている。ロッド&リールという雑誌が好きで良く読むのだが、5月に出た7月号ではZEAL代表S.柏木氏の釣りを紹介していた。テラーというペンシルベイトでバスを釣る姿はカッコ良い。そもそもなぜ魚に似せているとは思えないようなプラグにバスはヒットするのか。というところも興味深く思えた。
ZEALのルアーは何処へ行けば買えるのだろう。上州屋には置いていなかった。SANSUIはどうだろう。似たようなウッドプラグはあるが、ZEALはやはり無い。仕方ない。とりあえずTOPプラグとしてティムコのダブルスウィッシャーを一つ買ってみよう。こちらもウッドらしいが、値段は1,700円くらいでお安い。ほかにも釣れにくいから、とプラグを敬遠していたが、投げなければもちろん釣れっこないわけだから、買って投げてみましょう、と決心。安いわりに良くできて見えるYOZURIのアームズマイクロシャッドというプラグをひとつ買った。値段は800円。
1999年6月27日にまたも亀山湖へ釣行した。今回はよりともボートさんから出る事にした。ただし、メンバーはいつもくらい揃わず、ワタシとRYOHEIくん、KENTAくん、ONOUEさんの4人。ワタシ以外の皆はいつも通り少し早く現地に着いてオカッパリをするつもりだったようだが、よりともさんのそばではオカッパリは難しく、結局は車の中で寝て過ごす事になってしまったようだ。仮眠中、KENTAくんは誰もいないはずの場所から足音が聞こえた、と恐い事を言う。確かに何か出そうな雰囲気ではあるが…。
バス引退宣言をしたMANABUさんは今回も不参加。ただし、スターウォーズのオールナイトを見にマリオン前に並んでいた。C堂のTAKIさん、G堂のKAWAMURAさんも一緒との事。時計台の目の前に並んでいたため、テレビの取材がひっきりなしにカメラを向けてきて、抜ける理由を曖昧にしてきたKAWAMURAさんはおもわず顔を隠したそうな…。話題の映画を先行オールナイトで見てしまおう、とその意気込みは素晴らしいが、肝心の映画の方は途中で寝てしまったくらいツマラナカッタという。それでも1,800円全額補償してくれるの?「いや、…500円…くらいかな?」ずいぶん安くなっちゃったネェ。
よりともさんは予約をするとエレキなど重たいものをボートにセット。さらに割り引きスタンプカードを押してくれて、10個たまると2,500円分を無料にしてくれる。非常にサービスがよろしい。この日は雨が降ったり止んだり。たまに降るときにザーザーと音を立てて強く降る。梅雨末期の大雨の予感。雨具は上州屋で買った通気の良い素材のものを身に付けたので、雨も余り苦にならない。むしろ雨で活性が上がるといわれているだけに期待がふくらんでいた。
このあたりで有名なポイントといえば笹川。笹川の方へ行ってみましょうか。ボートを進めて行くと笹川が右手に大きく口を開けていた。その入り口両岸には立ち木がにょきにょきと立ち上がっている。いかにもバスが居そうに思える。左手にはループを描くように入り江があり、複雑な地形を形成していた。
笹川入口の立ち木を狙って常吉リグにチューブを付けて投げる。と、底のほうをゆらーっとゆっくり泳ぐおっきいオレンジ色が目に入った。なんだ、鯉じゃないの。ゆうに60cmはある立派な鯉だ。確か笹川ではニジマスも釣れると聞いている。いろいろと釣りが出来るフィールドなのだ、と感心した。よそ見をしながら投げていたところ、ピックアップ寸前にまた「がりっ」という感触。あ。またバスが付いていたのか!どうも油断しているときにバスはアタックしてくるようだ。
ノーバイトのまま10時を過ぎた。「あー、眠くなってきちゃいましたよ」と同船のRYOHEIくん。彼は先ほどからバスパーなど音の出るTOPプラグで攻めていた。「少し寝ておきます」と言うが早いかボートの舳先に座り込んで寝てしまった。すると先ほどからのしとしと雨が大雨に変わる。かっぱは着ているものの、ザーザー雨のなか、路傍のお地蔵さんのように雨に打たれつづけるRYOHEIくん。雨は激しさを増す。ボートの中には水が溜まりはじめた。どんどん溜まっていく。すでにタックルボックスはぷかぷかとボートの中を漂い、荷物を入れたディパックは中まで浸水してしまった。これは釣りどころではない。反対側のループ入り江に避難した。そんな中でも地蔵と化したRYOHEIくんは高いびき。どうもワタシと同船する人は寝るのが得意の人が多いようだ。
そんなこんなしているうちに12時。よりともさんに頼んでおいた弁当を食べにいったん戻った。いやぁー、すごい雨だった…。どう?釣れた?「いや全然。アタリもなし」とKENTAくん。かなりきびしい状況だ。食事をしているとき、よりともさんの店主とおぼしき方がご常連さんと話していた。「なんか、水産センターの方で上がったらしいよ」「またですか。わたしも引っかけて釣り上げちゃった事があるんです」「あのズルッとした感触はひと月は忘れられないよね…」「なんでも5歳くらいの子供らしい…」うわぁー、そんな話食事中にしないでくれぇー。食べていた唐揚弁当の肉の食感が気持ち悪くなってくる。中座するわけにもいかず、食事をしていた我々4人は無口になってしまった。早朝の幽霊騒ぎといい、食事時の水死体の話といい、どうもよりともさんには異界のイメージがついてしまった。
午後、雨は小止みになったものの、その代わり風が吹き出した。ペットボトルを半分に切ってそれでボートの水を汲み出す。朝からの雨に打ちのめされ、また初めての場所だけにあまり遠くまで移動する気がせず、笹川入口で続ける事にした。
ノーバイトのまま時間が過ぎていく。と、笹川の入り口向って左側の立ち木からRYOHEIくんがスピナベでバスを釣り上げた。おっ、やったねー。これでバスのボーズを卒業だね。「いやぁー、うれしいっす」サイズは34cm。ワームではなくスピナベで釣ったところがエライ。「ますますバス釣りにはまっちゃいそうですよ」うれしそうだ。同じ頃、隣りでもONOUEさんがやはり立ち木のなかからバスを釣り上げていた。
今回ボーズはワタシとKENTAくん。KENTAくんのボーズはめずらしい。今日の場所はどう?「いやぁー、この天気じゃ正直わかんない」でもいかにも釣れそうな場所だよね。「それはそうなんだけど、オバケがねー」結構怖がりなんだね。ワタシはまた来たいと思ったが、KENTAくんは乗り気にはならないようだ。初バスをここで釣ったRYOHEIくんなら印象がいいから誘ってもついてくるだろう。
1999年6月記

