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女旅情歌 荒木経惟
北宋社 1981年2月15日発行
 おんなたびじょうかと読む。表紙は荒木さんお気に入りのレナさんだ。小説現代に1979年の一年間連載された全12話がまとめられている。
 「函館・八番館の女
 ウェイトレス菊子さんが登場。その出会いから別れまでを荒木さんは旅情たっぷりに、ダジャレたっぷりに語る。
 「函館空港に着いて空腹の私は、松風町の「鮨金」へとタクシーを矢のようにとばした。タクシーの中で、アララキ派の歌人である私は一首詠んだ。 函館の松風町こそたのしけれ 旅の恋歌矢車の花 これじゃー石川啄木の盗作だってことがすぐにバレちゃうなぁー、もう一首つくろう、夜は石狩鍋にしよう、などど思想しているうちに鮨金に着いてしまった。 たちまち満腹した慢性ゲリバラ中耳胃炎の私、念のためにと性露丸二粒飲んで、五稜郭でも散歩しようと店に出た。(中略)近くにあった喫茶店「八番館」に挿入したのである。
店名が気にいったのだ。もしかしたら「サンダカン八番娼館」の子孫がやっているかもしれないと私は思想したのである。」ここでウェイトレスをしていた菊子さんと出会う。「「菊子さん、どうして口紅つけないの?」「つけるけど、お腹がへると舐めちゃうから・・・」と菊子さんは笑った。返事てーものはこーでなくっちゃ。21歳の菊子さんのエスプリに私はうれしくなっちゃって股質問した。「ねぇ、この店何時に終わるの?初体験はいつ?」「今晩かしら。あたしは8時まで」「ねぇ、終ったら石狩鍋食べに行かない?」(中略)「「あれからなんにも食べてないから、もう、お腹ペコペコーン」不二家のペコちゃんのねえさんみたいな顔をして菊子はお腹をたたいた。もちろん口紅はついてない。さっそく「入川」へ行くことにした。部屋に通されて座椅子にもたれた瞬間、仲居さんが私を指さして叫んだ。「この人NHKの”女性器手帳”に出た人!」さすがNHK、東京12チャンネルとはちがう。もーアタシは有名人、もーもーメンス大サービス、牛牛(もーもー)蒸気嫌、オデコチンポコまっかっか、ウニトジうめぇー、タイの刺身にイカ刺のせてほおばる菊子の口腔内が名器(アソコ)に見えて挿入してえと、アーかなり酔ってきたなァー。」 この後は酔っ払いの修羅場が展開されるのだが、割愛する。写真は八番館でウェイトレスをしている菊子さんの姿や、ホテルのベットに全裸で横たわる姿など。体格のわりにかわいいバストが妙に印象的だった。

 「静岡・Mのフィアンセ
 「『劇写・女優たち』の批評として、富岡多恵子さんがくれた『壺中庵異聞』を読んで、荒木壺中庵、静岡の壺中庵白沢良氏に無性に逢いたくなって新幹線に乗った。」そこで出会ったのがルポライターMのフィアンセ啓子さんだった。「アメリカ、カナダ、メキシコを四ヵ月半もひとり旅して帰ってきたばかりだというMのフィアンセ啓子の話に私は夢中になってしまい、静岡壺中庵のことは後で夜酒でも飲みながらゆっくり聞くことにした。実は啓子の話に夢中になったのではなく、啓子に夢二になってしまったのである。どうしてオレって、他人の女に劣情してしまうのだろう、いけないことなのに。」鈴木いずみのインタビューの仕事のあったM氏は新幹線の最終で東京へ向かった。残された荒木さんと啓子さんは深夜の駿府公園を散歩していた。。
 「啓子のアルカイックな媚笑に、私は理性を喪失してしまっていた。(中略)啓子を枯草の布団におしたおし、やや抵抗する啓子を静寂にするのに、それほどの腕力唇力はいらなかった。めちゃくちゃな私の連続吸唇に、啓子のアルカイックな唇は腫れあがりめくりあがり、淫水が逆流してきた。ああ、美味しいヨダレ、淫らだらだら、オレのノドチンコを濡らした。啓子が、私の唇を強く吸った。そして、とろーっと舌を挿入してきた。不倫な女め、30分前にフィアンセを見送ったばかりなのに。 久しぶりに屋外セイコーできるぞ、11時15分、やはり膣外シャセーしなくちゃまずいだろーなー、などと思想しつつ、つつつつつーっと、すばやくオッパイから滑りおち股間屁と私の淫らささくれ右手指は移動した。ペンだこ中指とシャッターだこ膣さし指のごにょごにょに、啓子の陰部は淫舞、オレのオデコはゆでだこ、ヨダレだらだら淫水だらだら、だらキンかなり先刻より膨張勃起、盲腸の跡なしきれいな腹部、素肌美人、ジッパーさげていざ鎌鼬、啓子のパンティーストッキング片方脱がせ大股開き両脚もちあげ、さてとよつんばい体位になりしわが膝頭にぐにゃーっと異物異臭、ありゃあー犬のクソ。」
 焼津グランドホテルの浴衣を身にまとった啓子さんがホテルのベッドに横たわり、アルカイックな媚笑をたたえていた。

 こんな調子で荒木さんが旅先で出会った女との情交が語られる。どこまでがホントかウソかわからないが、それでいいのだろう。独特のダジャレまじりの文章は読み進めていくうちになんとなく頭に残ってしまい、普段口をついて出ないかどうか心配だ。

 熱海・レナを連れて
 「レナは、プリンを食べた後、ときたまむぎ茶を飲みながら、ときたまタバコを喫いながら、『アンジェリク』に熱中していた。新幹線はあっという間に熱海に着いた。「金城館」の部屋は思っていたほど広くなく、こぎれいな旅館ってとこだった。たちまち私は欲情した。熱海名菓「春の月」を肴にビール1本飲み終えると、さっそく撮りだした。着いたばかりでまだ3時だというのに・・・。 レナはミスター・スリムを喫いながらブラウスのボタンをはずしていった。やわらかな外光に、かたちのいい乳房が現われた。あんず色の乳首愛し、私はゆっくりと両乳首を舐め、吸い、唾粘液で濡らした。乳腟がひろがり、光った。私は、はなれて、シャッターを押した。 冷蔵庫にもたれてポーズしたレナを、レナが出してくれたもー1本のビールを飲みながら、どひゃーっとソファーにうまったまま私はシャッターをおしつづけていた。 パンティだけになったレナは、じらすようにソファーに坐り、もう1本ミスター・スリムに火をつけた。そして大股開きしてほほえんだ。アンニュイのレナがまるで15歳の少女になった。星も、月も、大空も、鳥も、花も、風も、そして私、すべては、レナのえくぼ可愛いほほえみを中心に、回っていた。庭では、池の鯉に仲居さんが餌をなげていた。 山下清の原画がかかった床の間に立ったレナ、私は障子を閉めた。そしてレナは床の間に横たわり、パンティをとった。そして、コカコーラをフェラチオした。そして、四つんばいになったレナ、私はシャッターをおしながら、ワレメが見える位置に移動した。レナはかたちのキレイな桃尻ワレメをつきだした。私は近づき、離れ、近づき、シャッターを、おしつづけた。 レナは景色だった。 むちっと閉じていたワレメからは、透明な液体がにじみ出てきていた。それが不透明な白濁液にかわり、レナはあおむけになって、股間を広げ、レンズを受容した。私は、触れなかった。」
 熱海金城館での二人の濃密な写真行為が描写されている。

 やはり表紙写真にもなっている最後のレナさんのエピソードはすこし趣が違うような気がする。「レナは景色だった。」という荒木さんの言葉には彼女に対する強い思い入れを感じることが出来る。実はレナさんは他のカメラマンの恋人だったのである。「同業者の恋人、他人が撮りつづけている被写女体を撮る、なんて写真道からはずれるとんでもないことなのだが、私はもうレナに無我夢中だった。レナをキンたまらなく撮りたかった。奪(と)ってしまいたかった。」そういう経緯があったのである。写真道に外れているという意識を持ちながら撮ったレナさんの裸体。それは荒木さんにとって「景色」足り得たのだった。

 「男は、ホモラリスト。女は、インテリジェンヌ。写真は、センチメンタルな旅」 女旅の思い出。

2001年5月8日記

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