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79.4.1.(エイプリルフール)ラブホテルでヌード撮影。9.15.末井さんと夜のラブホテル街を闊歩。9.28.上野2丁目の飲み屋街で陽子さん。11.6.恥部屋でヌード撮影。11.8.恥部屋でヌード撮影。当時ヘアはご法度だったため、修正されている。11.9.ピンク映画を複写。11.12.ラブホで撮影。80.11.23.(勤労感謝の日)縄師洋平氏とS&Mスナイパーの撮影。縛られ大股開きをペンタ67で気合の手持ち撮影。一年日付が飛んでいるが、わざとなのだろうか。 80年のエイプリルフール写真は非常に多く、この日一日で全てが撮られたものではないはずだ。荒木さんが撮るものによって日付機能をいじってから撮影したものが集められているに違いない。他にも8.6.の日付にはラブホで写した大股開き写真を何枚も配し、TVに写った原爆ドームと花火写真を添える。8.15.終戦記念日の写真も多く、大股開きは当然ながら、空港での空虚な空の写真もあれば、カメラを逆さにして撮った写真、恥部屋に貼られた日の丸と美智子皇后(当時は皇太子妃)のスナップ写真も複写されている。
現実が写真という二次元世界に収められるとき、何かが余計に写ったり、何かが削ぎ落とされたりして写したかったそのものがデフォルメされてしまうような感覚にとらわれることがある。ならばそれを一歩進めてみようか、というのがこの写真集で荒木さんがやろうとしたことではないだろうか。一般には”写真には本当が写っている”という錯覚が確かにある。現実にあったことを撮っているのだからアタリマエ、というカメラに対して寄りかかった気持ちがそこにある。その一方で写真を表現の道具として使う作家がある。自分の考えを投影できるから使っている、という芸術家にとって写真には本当が写っているなんていうロジックは通用しない。写真は本当が写るようで写らないように出来る表現方法なのだ。 中に一枚、よみうりランドの野外ステージで開かれた撮影会の一齣がある(80.6.1.)。客席にはカメラを手にした大勢の男が超満員でステージにいるであろうおねえさんにレンズを向けている。きっとその人たちはそれなりに一生懸命いい写真を撮ろうと真剣だったはずだ。しかし、その様子を荒木さんはステージ上から写した。客席で狭そうにカメラを構える集団の人間模様のほうが壇上のモデルさんより面白かったからだ。見れば一眼レフを使っているものの貧弱な望遠レンズしか付いていないからモデルさんは画面では小さくしか写らないだろう。最初からポートレート写真を撮るような状況ではないのだ。この写真は言ってみればいつも撮られているモデルさん側から見た撮影者の視線であるが、その様子の方が本来撮影するべき対象よりもよっぽど”写真的”になることがある。
カメラを持っているから写される事はないという感覚は誤りであり、撮影者もまたモデルをはじめ誰かから見られている。写していながら写されている。裏と思っていたら表だった、という感覚。ものごとは陰陽で成り立っている。ウソかホントか、という二者択一ではない。ウソとホントが一緒になってコトを形成しているのである。そのどちらかに分けて考えるなんて絶対に出来ない理由がここにある。 この”偽日記”で二次元化されたコトにこそウソとは言い切れない”現実”がある、という二重否定された”肯定の強調”が内在することを、当時の写真界は気がついていたのだろうか。 2000年12月26日記 |
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