『シン・ゴジラ』


朝一番の回を観に川崎まで急ぐ。公開が楽しみだった『シン・ゴジラ』だ。直前になって女房も説得した。一緒に観ることになった。
朝一番だってのに映画館には結構人が居る。動員力すごいな。夏休みだもんねぇ。

さて、庵野秀明総監督による『シン・ゴジラ』。まだ公開して間もないからネタバレに注意しないといけないんだよね。でも、そういう”習慣”っていつごろ確立したんだろ(^^;?

現代日本に突如巨大生命体が出現して暴れ出したらどうなるのか。これがこの映画の描いているテーマ。単純明快。出現場所は東京湾。アクアトンネルの直上で水煙が上がり、トンネル内に泥水が漏れる事件が発生。政府内で対策会議が開かれる。これがコトの発端。原因はなにか。特定できないと対策のしようがない。未知の海底火山の噴火なのか、熱水の噴出によるものなのか、などの可能性が示される。そんななか「未知の巨大生物が原因なのでは?」と発言する人物あり。何を言ってるんだ、と無視される。直後、巨大生物が姿を現して移動を開始する・・・。

何の前提も説明もなく、いきなりアクアラインの”現場”へ連れて行かれた気分になる。俯瞰の映像で巨大生物らしきものの尻尾が海面から突き出している。
もちろん「ゴジラ」を観に来ているんだから怪獣は出てきてアタリマエ。おいおい、はえーなぁ、もう怪獣のお出ましかよ・・・。最初はそんなお気楽な感じだった。
でも、姿をあらわした怪獣はあの「ゴジラ」じゃなかった。え。ってことは、また別にゴジラが出てきて怪獣どうしで対決すんのか?と軽く失望モードに入りかけたころ、そういう展開にはならないことが次第にハッキリしてくる。

あのゴジラの登場。デカイ。相模湾から鎌倉に上陸し、東京を目指して歩き出す。予告編でもあった武蔵小杉駅付近における自衛隊の一斉攻撃。多摩川河川敷に防衛線が設定され戦車がズラリと並び、浅間神社に前線基地が設けられた。総理大臣によって武器使用の許可が下り、ゴジラへ向けて火器が次々と火を噴く・・・。
ところが、ゴジラに対して通常兵器は役に立たず、すべての弾を撃ち尽くしたにもかかわらずゴジラを足止めはおろかキズ一つ付けることができなかった。「作戦終了!」の言葉が虚しく哀しく響いた。防衛線はかるがると破られ、ゴジラの進撃は止まらない。

武蔵小杉決戦の場面。身近な、普段見ている光景にゴジラと自衛隊の兵器が展開する様はワタシにとって非日常の極みだった。まるで身近な場所で起きている事件と勝手にアタマが”錯覚”したのだろうか、思った以上に感情を強く刺激された。同時にゴジラに対するリアルな恐ろしさがこみ上げてきた。自衛隊の現代兵器がゴジラにまったく歯がたたないというのは、身近な場所が戦場になっていることとあいまって衝撃的な演出だった・・・。絶望感に満たされる。これから丸子橋を渡るたびにゴジラを思い出すことになると思う。

このあとの決戦がもちろん映画のクライマックスになっていくんだが、あとはもうネタバレになってしまいそうだなぁ・・・。
音楽が伊福部昭作曲のオリジナル音源(モノラル)が使われていたり、ゴジラの鳴き声、爆薬やビルの爆破音などもオリジナルっぽい。そこにエヴァンゲリオンでおなじみの鷺巣詩郎さんの”ティンパニ曲”が出てくる。エヴァが使徒と会戦するときの専門用語が指示・実況で飛び交うあたりの感じがここでも再現され、「漢字」のセリフが延々飛び交うリズム感。まるでこの映画を作るためにエヴァがあったんじゃないか、とさえ思う瞬間もあった(個人の感想です)。
戦闘シーン以外は会議会議会議。とにかくゴジラが移動して状況が動く度に政府内で会議が開かれる。いよいよ自衛隊が出動するとき、そして攻撃のために武器を使用する時。その会議の中心には常に総理大臣が居た。未知の巨大生物駆除というかなり専門性の高い事件ながらも武官は総理の指示を受けて作戦を遂行している姿が印象的だった。

超絶な映画になっていた。エヴァには観ててどこか絵空事だという感覚があったが、これは実写版でドキュメンタリータッチ。無敵のゴジラをどうやって倒すのか。物語の行方が本当に気になった。前のめりで見入ってしまった。あっという間の2時間だった。大傑作って言葉しか浮かばない。
10653歩 6.38km 102分 514.2kcal 13.4g
20160731

2016-07-31 | Posted in 甘露日記Comments Closed 

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