1998年11月上野松竹デパート前 LEICA M3 RICOH GR28mmF2.8


GR1

 筆者の持つ上野のイメージは「雑踏」である。渋谷や表参道のようなザットウではなく、正真正銘の「雑踏」が此処にはあるような気がする。この場所は好きでよく撮影する。谷中から上野桜木と歩いてきて、上野公園から下りてきたところにあるこの松竹デパートは、筆者の散歩ゴールデンコースの終着点だ。戦後の混乱期に無数と言っていいほど開かれた露店にそのルーツを持つためか、どこか昭和30年代の雰囲気を保っている。
ライカというカメラは、ある意味で普遍を獲得している。今から70年以上前にドイツ・ウエッツラーで作られたこのカメラは、現在作られているカメラに影響力を与え続けている。その証拠の一つが、現在も守られているL(ライカ)マウントという規格だ。口径39mm、ねじピッチ1mmというこのスクリューマウント用レンズがここ数年で何本も発売された。その中の一つがこのリコーGR28mmF2.8レンズである。もともとは田中長徳という写真家の「レンズ第一主義」の指導を受け、リコーが作った「GR1」カメラに付いていたレンズである。それが昨今のクラカメブームによって、「ライカに付けられないだろうか」という企画が生まれた。同様の企画には、コニカのヘキサノン、ミノルタのG-ロッコール、フォクトレンダーのスナップショット・スコパー、スーパーワイド・ヘリアなどがある。
何故広角レンズが多いのか。それは、ライカの持つフランジバック(レンズからフィルム面までの距離)が短いという特徴に起因する。一眼レフの最大の特徴であるミラーボックスは、レンズとフィルムの間に立ちふさがり、レンズ設計の制約を産んだ。ライカにはそれが無いため、特に広角レンズを設計するときに、レンズ後群をフィルム面ぎりぎりまで張り出すことが出来る。これは発展したとされる一眼レフに対して、現在でも大きなアドヴァンテージとなっており、ライカマウントが現代に誇ることの出来るひとつである。
レンズデザインはライカレンズのズミルックス35mmに範を採ったため、M型ライカに似合う。筆者の持つM3には28mmのフレームが無いので、付属のファインダーを付けて撮影した。
描写は開放から鋭くシャープ。色再現には独特のクセがある。

LEICA M3 RICOH GR28mmF2.8

GR28mm

パソコン通信のニフティで、発売前から随分話題が盛り上がったレンズだった。限定1,000といわれ、筆者はヨドバシに予約までして定価で購入したが、それほどあわてて購入する事はなかったようだ。しかし、写りもよく、デザインも良いので、気に入っている。リコーというと安っぽいカメラを作るメーカーというイメージしかなかったが、このレンズで見直した。付属のファインダーはOEMなのか、コンタックスG2用のビオゴン21mmのものと見え方が酷似している。

1998年11月1日記

2016-03-22 | Posted in 甘露PHOTO日記Comments Closed 

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