2001年9月亀山湖 CONTAX Aria TESSAR T*45mmF2.8


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 釣りはもっぱら千葉の亀山湖へ行く。ブラックバス釣りである。朝、というか深夜2時ごろに起き出し、道具一式を載せてクルマで行く。川崎と千葉は東京湾アクアラインで結ばれているから、往復それで行くのがセオリーかもしれないけれど、筆者はあえて深夜のドライブを楽しむために行きは陸周りをする。コンビニで買ったサンドイッチをほおばりながら環八を東へ走る。首都高羽田から乗り、湾岸線をひた走るのだ。東京港トンネルを抜け、13号地を走っているとたまにビュン!と200km/hくらい出しているローラー族のクルマに抜かされる。すっげぇー!と一人感心しながら自分はペースを守る。とにかく深夜の高速は長く走っていたい気がする。

 途中、時間の余裕があれば必ず市原SAで休憩する。ゴミ捨てとトイレ休憩と飲み物の補給である。姉崎袖ヶ浦ICを出れば、あとは久留里街道をまっすぐに南下。45分ほどで筆者にとっての桃源郷・亀山湖へ到着だ。

 シーズンともなれば出船時間の5時(季節によって変動する)には、東京や埼玉、千葉の釣り好きがドカドカと駐車場に乗りつけ、早々に満車となる事もある。筆者のように一人で来る人は稀で、仲間や彼女を連れてくるのが普通である。こういう時、自分の馬鹿さ加減を思い知るのだが、なあに気にすることはない。結局釣りは自分との闘いなのである。変な罪悪感はボートに乗り込んだ瞬間に消滅する。

 まだ暗いうちにいざ亀山湖へ乗り出す。何回来てもわくわくする瞬間である。今日のコンディションはどうだ?パターンは?それで何を投げ込もうか。ノーシンカーか?スプリットか?無理してプラグでも行ってみるか!その楽しさったらない。あれこれと考えて決めた場所へルアーを投げ込み、それでアタリをもらえる事もあるけれど、大抵はなかなか釣れなくて、最初の「釣るぞ!」という意識が抜けてリラックスしてきた頃に魚は食ってくる。まるで水の中からこちらの様子を見られているようだ。

 撮影した写真は、まだ釣り気満々の朝一で、気温が急激に下がったために湖水との温度差が広がり、湯気が湖面から立ち上っている様子を捉えたもの。手前に浮かんでいるのは流木である。日の出直前の薄明の中でオート撮影した。テッサーにとっては少し苦手な被写体と言えるかもしれないが、それでも微妙に木のグラデーションを再現しようと頑張っている。

 この写真を撮影した日は、34cmを頭に3匹のブラックバスが釣れた。帰りは久留里街道の渋滞を避け、広域農道をぶっ飛ばして木更津北ICからアクアラインを使う。海ほたるで売っている枇杷や海産物のお土産を家族に買って帰る。

 コンタックスといえば最近ではレンジファインダー機G2が有名となり、高級コンパクト機T3が新発売され話題だ。どちらも有名なカール・ツァイスレンズが装着されているモデルとして、独特のブランドイメージを湛えている。そんな中、主力がMF機ということで少し地味な存在に見えるコンタックス一眼レフは、量販店でもニコンやキヤノンのAF機に押され、現実に広い売り場の狭い隅っこへ追いやられてしまった。そこで初めてコンタックスに筆者は注目した。よく考えればMF高級機を今でもしっかり作っているのは日本ではコンタックスしかなくなっていたのだ。

 このAriaはコンタックス一眼レフのラインナップでは入門機に属する、プラスチックボディの小型軽量機である。しかしその小型軽量というスペックがむしろ利点に思えた。持った感じは金属ではないから安っぽい。でもこういう軽いオート機でなければカメラは売れなくなってしまっていた。コンタックスのなかで唯一評価測光を採り入れ、ファインダー倍率も良くしているところにも、そんな事情が読み取れた。絞り優先、シャッター速度優先、プログラムオート、マニュアル設定。必要な機能は十分に備えているこのカメラで写真が撮れなければ、きっと他のカメラを使っても撮れることはないだろう。

 もちろん、問題はある。電池がなくなったら写真が撮れなくなる機構になっていると言う事である。しかしもうそんな”ないものねだり”をするのはやめようと思う。電池がなくてもしっかり動く高級一眼レフなど、どう頑張ってもカメラメーカーはもう作れないのである。そういうときには電池がなくても動くカメラをバックアップとして持っていく。電池を云々するくらいこだわるのであれば、それくらいの心配りが出来なければおかしい。これはデジカメを使い始めて芽生えた意識だ。このカメラのバックアップには当然機械式シャッター搭載のローライ35・テッサーが似合う。これからはそういう使い方でいいのではないだろうか。

CONTAX Aria TESSAR T*45mmF2.8

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 ヤフー・オークションという仕組みを知ってから、恐る恐る入札してペンタックスのレンズを買ったりしていた。あるきっかけでコンタックスAriaを購入してみようという気になり、量販店を覗いてみると7万円以上の値段が付いていた。で、ヤフオクではいくらくらいで取引されているのだろうか、と検索をかけてみるとだいたい4万円程度という事が判明。ちょうど新品同様の個体が出品され筆者の入札札を待っていた。そこでつい入札してしまうと、そのままオークションは終了してしまい、あっという間に筆者はAriaのオーナーとなってしまったのである。
ボディだけではつまらない。ちょうど高輪へ寄る用事があったのを良いことにコンタックスレンズを物色する。店内を一巡すると金融新品でテッサーが比較的安価に在庫していた。元箱+保証書付である。もともとパンケーキレンズが大好きなので、ついその場で購入してしまった。使ってみようと決めたら一通り揃えるまで話の進み方がやけに早い。
こうしてレンズはかろうじてカメラ屋で購入したものの、ヤフオクでもカメラを入手する方法を体得してしまったのである。その嚆矢がヤシコンというのもなんだか不思議な気がした。

2001年9月27日記

2016-03-01 | Posted in 甘露PHOTO日記Comments Closed 

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