2002年4月新宿御苑花見 PENTAX LX SMC-PENTAX A35mmF2.8


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 花見というと桜の下で酒を飲みながらのドンちゃん騒ぎが名物だ。この時期に上野公園などのお花見名所へ行くとなんとなく酒臭い。別にそれが悪いと言いたいわけじゃない。遊びたい盛りの子供がいると一箇所でじっとしていることが出来ないので、そういう”伝統的な花見スタイル”を出来ないのだ。

 東京の今年の桜は早く、3月20日に満開となってしまった。風情を楽しむどころではない。慌てて次の日曜日に家族で新宿御苑へ出かけた。新宿御苑の桜は昔から有名で、4月中旬にはお花見会も開かれる。新宿門から入場する人は毎年多く、入ろうにもとても入れなくて断念したことも過去にあった。それ以来すいている千駄ヶ谷門から入場することにした。今年もやはりガラガラだった。

 入ってすぐのところにソメイヨシノばかり植わっている場所があるが、すでにもう散りかけだった。子供が早く弁当を食べようとせっつくので広場の芝生に敷物を広げた。人はみるみるその数を増やしていたが、酒類持ち込み禁止が建前の御苑では酒宴をしているグループはない。せいぜいビールかワインをほんの少したしなむ程度の方ばかりだ。
日が当たるとぽかぽかと暖かな陽気だったが、ちょっと翳るとまだ風が冷たかった。弁当を食べ終わると早速に「歩こう」と言い出すせっかちな子供たち。少しは時間を楽しもうという心を持って欲しいなァ。

 池にかかる橋のたもとに見事な枝垂れ桜が咲いていた。ものすごい人だかり。なかなか近づくことさえ出来ないほど。八重咲きのなんともいえないピンク色の花を見ていると、人が殺到するのもわかる気がした。見ているうちに冷たい風が通り抜ける。結構寒い。温室へ行って温まろう、ということになった。
ところが温室に入れない。ものすごい混雑で人が入れなくなっていたのだ。入り口には「ヒスイカズラ開花」との看板。そうか、それを目当ての人たちか。それにしても例年以上の混み具合だ。のろのろと進む人の流れ。やっとヒスイカズラへ辿り着く。LXのファインダーを覗く。先日LX2000用のフォーカシングスクリーンに入れ替えたので、像面が非常にクリアだった。

 温室を出て新宿門へ向かう。子供たちがオヤツを欲しがりだしたからだった。女房がオヤツに追分団子を食べたいと言っていた為、伊勢丹そばまで行かなければならない。芝生にはお花見の方々の人波が出来ていたが、新宿門に近づくにつれてその密度は増していった。あまりの人の多さにビックリしてシャッターを切ったのが掲出した写真である。これだけの人が集まっても言い争い一つ起きない。日本人のすごいところだと思う。

 ペンタックスレンズには変遷がある。タクマーシリーズのスクリューマウントタイプからKマウントのバヨネット式に変更になって、このAシリーズは第3世代目となる。スーパーAの絞り・シャッタースピード優先機能を実現する為にレンズ内ROMを持ったシリーズで、見た目は少しチャチになってしまったが、オートフォーカス機能が無いだけで現在のFAレンズシリーズと同等の機能を持つ点から中古相場も少々高めだ。
当時からフラッグシップ機はLXだったが、このカメラではAレンズシリーズの全機能を使うことは出来ない。しかし、現実的にはスーパーAのオート機能は経年変化でほとんど使えなくなっているため、マニュアルフォーカスは発売中止になってまだ日が浅いLXでするのが妥当だろう。

 距離目盛の4.5m、絞り値F8の字が赤く塗られている。これはペンタックスの広角レンズには伝統的に施されていることで、どちらもその位置にあわせるとピント合わせ不要のスナップモードカメラとなる。もともとカリカリとピントが立つような描写をせず、やわらかく緩やかにアウトフォーカスしていく傾向のペンタックスレンズの描写にはピッタリの機能のような気がする。

PENTAX LX SMC-PENTAX A35mmF2.8

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 このレンズもヤフオクで手に入れた。レンズ内にも埃一つ無いきれいなレンズだった。フードは以前高輪で”レンズ付き”の値段で購入しておいたもの。それくらいの価値はすると思っている。

 ペンタックスはかつてベストセラーのSPをはじめ、数多くの名カメラを世に送り出した。当時のその勢いはフードの工作にも現れている。35mmレンズ用の角型金属フード。このフードが欲しくて、店頭に並んでいた要らないタクマーレンズを1本買ってしまった。角型であるがゆえに、ねじ込んでも向きを微調整できるこのキッチリとした造りはかなりのコストを強いただろう。現在の35mmフードはプラスチックの押さえ式になっているが、すぐに壊れると評判が悪い。良いものはいつまでたっても良いと評価されるものだ。どうかペンタックスにも良い製品を作っていた頃の職人魂を思い出してもらいたいと思う。LXの製造中止を本当に憂いている。

2002年4月2日記

2016-02-25 | Posted in 甘露PHOTO日記Comments Closed 

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