2002年5月神田多町界隈 LEICA M6 RICOH GR28mmF2.8


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 ふだんから通っている古書会館が建て直しのため、会館機能が小川町3丁目から錦町の中小企業センターに移って半年以上経過した。改めて時間の経つのは早いものだと思う。ふだん使っている場所が移れば、ふだん使っていた道を一時的にせよ通らなくなるものだ。地下鉄神保町駅から靖国通りを真っ直ぐ歩くだけだった日常が変化し、地下鉄竹橋駅のKKRホテル前出口を出て錦橋を渡って中企センターへ至るルートを最短として使っている。あたりはビジネス街。あまり面白くない町並みだな、と思っていたが、入札の合間に近くの道を散歩してみるとなかなか味のある風景が残されている事に気が付いた。

 もともとこの付近の神田須田町から多町にかけては青物市場発祥の地だ。江戸二大市場の称号を日本橋魚河岸と分け合うほどの場所である。歴史は江戸時代初期にまで遡るという。
明治になって政府から鑑札を得て市場はますます発展したものの、関東大震災で壊滅状態に。都市計画上、中央卸売市場の開設を考えていた東京市は、各地に散在していた市場を一箇所に集めようとしたが、神田は分場として外神田に移転しながらも存続した。古くから青物と共に歩んだ街。歩いていて出会った交差点角の八百屋さんは元気に営業中だ。掲出した写真は、自転車のおじさんが荷台に商品を載せて通りかかったので、あわててノーファインダーで撮影した一枚。M6に装着したラピッドワインダーはとっさのときに連写ができたりする。
巨大ビルが立ち並ぶ湿度の低い表通りのすぐ裏には、昭和初期の看板建築が今でも現役の界隈がちゃんと保存されている。その懐の深さがこの街の力になっているのだろう。

 リコーというと、現在ではカメラよりもコピー機などOA関連機器メーカーのイメージが強くなってきている。光学技術というのはいろいろな場所で応用が可能らしく、世界企業となったキヤノンは言うに及ばず、ミノルタ、ニコンさえも、光学技術を駆使した製品で市場に切り込んでいる。すでにカメラは一部門に過ぎず、売り上げの担い手という存在とは程遠いらしい。確かにカメラ・レンズを作っているメーカーは減る一方だ。
そんな状況でも、リコーが出したコンパクトカメラGRシリーズは、一流の超広角レンズと極薄金属ボディという特徴が支持され、28mmレンズのほかにも21mmレンズ搭載型が発売されている。28mm、21mmどちらも、ライカLマウント仕様が発売された。冷調でクールな描写を得意とするレンズで、筆者はモノクロフィルムで撮影するときに使用する。

LEICA M6 RICOH GR28mmF2.8

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 ライカM6を買って、試したいことがいくつかあった。一つは言うに及ばず、眼鏡なしズミクロンを組み合わせて撮ること。もう一つは、このGRレンズを外付けファインダーなしで使ってみることだった。大きい声では言えないが、ライカの28mmレンズは少々デカい。同じF2.8というスペックなのにエルマリートとGRでは一回り大きさが違う。M6に付けてみて実感できる。
L-Mアダプターはコシナ=フォクトレンダー製を求めて付けた。ものの本にでかい金属から削り出しで造り上げていると書いてあった。真面目に造られたものは努めて新品で求める方が良いと思う。中古でも充分だけど、新品を買うとメーカーがやる気を出してくれる、はず。
レンズにアダプターを装着してM6に付ける。ファインダー・セレクターレバーがレンズ側一杯に倒れ、90mmと28mmのフレームがファインダーにキッチリ現れた。でもやっぱり、0.72の倍率だと28mmフレームは使いにくいようだ。フードで視野もかなり蹴られるから、ちゃんとした撮影なら外付けファインダーを併用するのが無難か。

 2002年4月1日に銀座のL社でカナダ製ラピッドワインダーを購入した。値段は43,000円。ライカモーターの使用を前提に設計されたM4-2以降のライカに使用可能とのこと。
底蓋を開けるとライカ本体側に巻上げを伝えるカムがあり、ワインダーのカムと噛み合わせる。分厚くなった底蓋から折りたたまれていた引き金を起こし、左手でスライドさせるとフィルムが巻き上がり、シャッターもチャージされる。なかなか精密感のある工作だ。電気回路を使わず、しかも単機能だけに長く使えそうだ。
伝説のライカMPに付いていたライカビットと機能的には全く変わらないはず。それがこの値段で手に入るのだから安いと思う。

2002年5月7日記

2016-02-24 | Posted in 甘露PHOTO日記Comments Closed 

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