2004年10月神田駿河台下 Rollei35 TESSAR 40mmF3.5


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10月のとある木曜日。朝からいい天気だった。
今年の10月は雨ばかり降ってなかなか晴れない。久しぶりの晴れ間に出かけたくなった。とはいえ仕事は積み上がっている(^^;。何か口実がなければ出られない。今日の一新会から大量入荷を知らせるFAXが届いていた。これだ(^^)。
店を開ける作業をしているオヤジに言った。今日市場へ行って来るからね。「え?今日も行くの?」まあそりゃ仕事は積み上がっているけどさ、このFAX見てよ。これならいいでしょ?「うん、まあね。じゃあ入札するものを厳選してよ。」わかったわかった(^^うまくいった。

早昼を食べて東横線に乗った。ホームに立つと日向が輝いていた。いい天気の日に外へ出る事ほど楽しい事はない。仕事は充分に店にあるので、特に本を買っておく必要もなかった。実はただ歩きたかっただけだった(^^;マズイカナ。

入札を終えて外に出る。本を仕入れて背中に背負い、代わりにバックからローライ35を取り出した。久しぶりの登板。調子はどうかな、と思っていたが、沈胴していたレンズを引き出すとピントリングも滑らかに回る。気分が乗ってきた。シャッターをペチペチ切りながらジーコジーコとフィルムを巻き上げた。40mmという画角は本当に独特で、普段35mmを標準にしていると少し狭く感じる。その狭さが非常に微妙で少し後に下がりたくなるときもあれば、いや、ここはこのまま撮るのがタダシイ間合いだ、と教えられるときもある。

まずは駿河台下の交差点をぐるりと一回り。M大のビルが青空に屹立している。写真は神保町駅を降りて古書会館へ向かうときは必ず見る風景だ。
神田も靖国通りなどの表通りは背の高いビルが多いが、一本裏に入ってみればビルの谷間でひっそりと残っているベテランな建物に出会うことが出来る。最近はどんどん取り壊されて駐車場化が進んでいるが立派に現役のものもまだまだ多い。小川町から淡路町、多町と歩いて神田駅に出る。中央線高架下の飲食店街を写してから東京駅へ抜ける路地を歩く。コースはいつも歩く道。それでも前回歩いたときとは風景が変わっていることが多かった。ここにあったはずの建物がない。更地面積が増えていたり、新築ビルが建設中だったり。人の流れはどうだろう。勿論流れてはいるがただ流れているだけじゃないだろうか。中小規模のオフィス街になっているためか、何となく活気を感じられない気がした。夜間人口はどんどん減り続けているのではないだろうか。立ち止まってはペチ、歩いてはペチとシャッターを切った。

Rollei35 TESSAR 40mmF3.5

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CONTAX T3を買ってから銀塩写真はこればかり使う状況が続いていた。それくらい撮影がスムーズだった。腰巾着でぶら下げられるし、撮ろうと思えばさっと取り出してノブをひねったらすぐにAFで撮影が可能だ。
写真を撮影するときにいくつか注意しなければならない点がある。フィルムを入れることは勿論だが、シャッターをチャージし、ピントと露出をあわせる必要もある。以前使っていたパールという小西六製の蛇腹カメラではフィルム巻上げとシャッターチャージが連動しておらず、それぞれ独立して操作するカメラだった。最近のカメラはシャッターチャージとフィルム巻上げはレバー1回の操作で同時に出来る。これも電気で自動化された。ピント合わせもAF化し、露出もフィルム感度を自動検知して自動で設定してくれる。全てが自動化されたT3の場合、撮影者がすることはファインダーを覗いてシャッターを押すことくらいだ。
”全自動”が便利に思えるときもあれば、そう思わないときもある。急いでいるときには確かに便利。でもゆったりした気分で別に時間を気にしなくていい状況なら、むしろ全自動ではない方が気持ちにしっくりくる事もある。最近はなかなかそういう状況になれないのだけども。
久しぶりにローライ35を取り出して使ってみると、目測のピント合わせで露出も基本的には自分で設定するだけに”カメラを持っている”という自覚が生まれる。ちゃんとやらないとカメラも応えてくれない。風景に向かいながらカメラとも対話する。街を歩きながらそんな関係性を意識できる。シャッターをペチと切ったあとにジーコと巻き上げるリズムがいい。こんなささいな楽しみをT3は撮影者から奪ったことになる。
ローライ35が世に出たのは1966年。今から38年前だ。デザイン的に見ても手に持ってみても、CONTAX T3を隣に置いてみても、仕上がった写真を見ても古臭さは全く感じない。モノとしての立ち上がりの良さがローライにはある。

2004年10月23日記

2016-02-11 | Posted in 甘露PHOTO日記Comments Closed 

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