2005年11月岡本太郎記念館 LEICA M6 RICOH GR28mmF2.8


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11月の良く晴れた日曜日。

今日は女房と娘が町内会の遠足に出かける。ワタシと息子はフリーとなった。息子は「家に居る」とあっさり出かけない宣言(^^;。まあいいや。ワタシは独り身の気楽さで散歩しにいこう。女房たちは9時に出かけた。

ワタシは10時過ぎに出た。行き先は青山にある岡本太郎記念館。東横線に乗って渋谷まで。車内で読むのは「今日の芸術」(岡本太郎著) さあ、歩くゾ! 宮益坂を登り始める。詩書で有名な中村書店さんもすぐそばの巽堂書店さんも日曜定休。青山こどもの城が見えてきた。「こどもの樹」はもちろん岡本太郎作だ。歩道橋を渡って青学前を通過。すぐ右に折れて青学会館の横を歩いていく。いかにも青山な道だ。岡本太郎記念館は筋違いで骨董通りの向こう側なのだけど、まあこっちの道のほうが面白い。そろそろかな、と左に折れるとドンぴしゃり。骨董通りの1本路地向こう側に岡本太郎記念館はあった。その向こう側には根津美術館やブルーノートがある。いかにも青山な界隈ではある。

中に入る。入場料は600円。受付のお姉さんに「写真撮影は自由ですからよろしければどうぞ」と言われる。そりゃありがたい。わざわざカメラバックにしまったM6を取り出した。結構人が居るなぁ。5、6人の団体さんもいたりして。
まずは見たかったアトリエへ。低い鴨居をくぐって進むと右側にリビングがあり、太郎さんの人形や作品がずらり。その向こう側には庭が広がっている。ん、ここがアトリエかぁ壁面には大小さまざまな大きさのキャンバスが無造作に差し込んである。その1枚1枚は作品なのだろうか。「明日の神話」がイーゼルで展示してあった。太陽の塔の顔がぶら下げてあったり、机の上には絵筆がズラリと並んでいたり。ここで書いていたんですか・・・。絵の具が床に飛び散っている。まるで太郎さんがついさっきまでここで仕事をしていたかのようだ。すごい。
2階では企画展。真ん中に「午後の日」が座っている。壁面には大型の作品が架けられていて、間近で見られる贅沢を味わう。この赤と黒・白、黄色に緑。原色の絡み合うコントラストのハッキリした絵は相変わらず分かりにくいが、じっくりと見つめたい気持ちになるから不思議だ。

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庭に出る。少し前に川崎の岡本太郎美術館で見た「実験茶会」はこの庭で開かれたのだ。あの頃は芝が敷かれて広々した印象だったが、今は所狭しと太郎さんの作品が置かれ、バナナが葉を大きく広げている。梵鐘が吊るされていたので静かに叩いて鳴らしてみる。少し甲高い通る音が響いた。

岡本太郎著「今日の芸術」を読む。氏の視線は極めて正確に事実を貫く。そのため文章に一切のゴマカシがない。つまりいつでも自分を偽らないということだ。ダメと思ったものをダメという。良いと思ったことは良いと言う。単純至極だ。しかし世の中はフクザツで、この単純な行動を潰そうと動く。氏は真正面からその動きとぶつかり、そして乗り越えようとする。あくまでも芸術家として。芸術とは既成の概念といつも仲が悪いものなのだ。 

世の中がダメと言ったものは本当にダメなのか。世の中が良いというものは本当に良いものなのか。じゃあ自分はどう思うのか。氏の文章にはいつもドキリとさせられる(^^;。コトの本質だけに怖い。怖いが読まずには居られない。

LEICA M6 RICOH GR28mmF2.8

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ライカを持ち出すときの気分は「よし、今日は撮ってやるぞ」とイキオイがいい。カメラバックにはここぞとばかりモノクロフィルムを5本も入れたりするが、1日歩いて写真を撮ってみれば結果は意外に少ないことが多い。この写真を撮影した日はこの後に近代美術館へハシゴし、「ドイツ写真の現代」展を見て、工芸館で「日本のアール・ヌーヴォー」展まで見たとても刺激的な日だったにもかかわらず、撮影したフィルムはやっと2本だった。
もっと撮ってもいいのに、もっと撮ったって誰も何も言わないのに、以前よりは確実にシャッターを切る回数が減っている。気持ちが落ち着いてきてしまったのだろうか。だとしたら、それはとても警戒すべきことだ。

2005年11月20日記

2016-01-23 | Posted in 甘露PHOTO日記Comments Closed 

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