2008年1月東松照明東京曼陀羅展 LEICA M3 SUMMICRON35mmF2


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12月。日曜。快晴。朝は遅く起きて、今日は恵比寿まで3人で東松照明展を見に行こうと思う。

昼過ぎに中目黒駅。名物だったガード下飲み屋街は高架線の耐震工事のため立ち退き。すぐ隣、目黒川沿いの一角では45階建て超高層マンションの建設が始まっている。この対比、如何にも象徴的也。調整池があり、かもめがたくさん集まって羽を休めていた。ここから急に川幅が広くなり、水深が増す。
そのまま目黒川沿いを歩いていると、左手奥にガーデンプレイスビルが見えてきた。そろそろ左へ行きたいな、と思いながら道を見ると、いつまでたっても左へ曲がる道がなかった。いつしか目黒清掃工場前の交差点。ドーンと煙突が立ち上がっている。どうやらここから恵比寿方面に抜けられるようだ。坂を上がっていく。なるほどこのあたりは自衛隊の駐屯地だった。中目黒公園も旧海軍施設だったと説明書きにある。そういえば地下鉄日比谷線は中目黒から霞が関まで通じているなぁ。点と点はこんな感じで結びつく。
防衛庁の施設という場所の角に新道が建設中。まだアスファルトには旧道の路地ペイントが残っているが、あとは舗装をし直せば完成というところまで仕上がっていた。街路・共同溝も作ると表示されている。

で、ガーデンプレイスへ。娘がおなか減ったらしいので、先に食事。いつものようにビヤステーションに入り、ランチを食べることにした。結構混んでるなぁ。3人それぞれ飲み物を頼んで、一品づつ取ったら結構な量に。それぞれ取り分けていろんな味を楽しませてもらった。名物のアイスバインもソーセージもうまかった。期間限定でデュンケルタイプがあったので、ワタシはそれを。女房はエビスの黒。
おなかいっぱいになったところで出る。お客は特に減ることもなく、やっぱり恵比寿といえばビールなんだろうね。

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店を出て、女房と娘は三越内を探検するという。それじゃあ、とワタシ一人で写真美術館へ向かった。チケットを買って3階展示室。なんと今日が最終日だった。間に合った・・・。

「東京」を撮影拠点にした作品を中心にセレクトされているらしい。未発表作品を含めて、従来の銀塩プリントと一緒にインクジェット出力による作品も展示されている。これがもう正直言って見分けがつかない。インクジェットもここまできているのか、と思う。

全307点。膨大な量。作品は編年で順に並べられている。1954年の街頭テレビに始まって、電子部品を写した「キャラクター」まで。街角をスナップした写真はなんとも軽快で、上から、下から、さまざまな角度で人物を活写している。神保町でバス待ちをしている下駄ばきのおじさんが、大きな風呂敷を背負って立っている。ああ、じいちゃんもこんな感じだったのかな、などと思ったり。
基地の写真、動物園のチンパンジー、恐山、アスファルト、学生運動、新宿。編年なので、基地関係の写真がパラパラと途中挿入され、クレジットされている年を見て、ああ、まだこの時期はこんな感じだったんだな、と。
近作へ向かうにしたがい、写真から人の気配が消えていく。海岸の砂浜に打ち上げられたプラスチック製品の写真、岩場に生きる生物の写真、そして、電子部品を並べて生物に見立てた作品群と続いて、展覧会は終わっていた。

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何を撮るか、何をプリントするか、何を展示するか、は普通写真家が決める。この写真展ではそういうオーソドックスな手法が用いられているらしい。とすれば、東松氏の中の「東京」のイメージは、この写真展で表わされている印象に集約されていると言ってもいいはずだ。猥雑な東京、占領された東京、混沌とした東京、ぶつかり合う東京。そして、パッと桜が咲き、最後は無機質な”生物”へと向かっていった。東京を歩けば今ほど雑然としている姿もないとワタシなどは思うのだけれども、東松氏にしてみればすでに”終わっている”ように見えるのかもしれない。

細江英公氏の事務所から独立したばかりだったころの森山大道氏が言う。「(前略)あらゆるページの写真を見、結局ぼくの心にいちばん深く突き刺さり鮮烈に映ったのは、かねてから傾倒していた、他ならぬ東松照明氏の写真の全てなのであった。(後略)」 東松氏の写真からきっかけをもらい、森山氏は横須賀の撮影を決意する。そのとき撮影された写真がカメラ毎日の山岸編集長によって取り上げられ、後に氏の出世作となった。
そんなインパクトのあるイメージは60年代の作品に集中している。東松氏が時代を切り取ったのか、時代が東松氏に写させたのか・・・。

LEICA M3 SUMMICRON35mmF2

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  ひさしぶりにM3を持ち出した。ずいぶん長い間触っていなかったことと、寒くなってき たこともあって、巻き上げレバーの戻りが少し悪くなっていた。中の油が切れてきているのかもしれない。使い始めてずいぶん長いが、まだ一度もメンテナンスに出したことがない。大丈夫だろうか。
メガネ付きズミクロンはM3と同時期に購入した。実は伝説の8枚玉ズミクロンである。メガネなしはびっくりするくらい高価なのでとても手が出せないが、このモデルはそれほど高くなかった記憶がある。写りは最高。いろいろな人が高い評価をするのも頷けた。このメガネはM3の50mmファインダー枠を35mmに押し広げる機能を持つ。
メガネのため、M3ではピント合わせの二重像が合わせにくくなるが、M6に付けたときそれほどでもないところをみると、M3ファインダーの経年劣化なのだろう。
冬の日差しは弱く、斜めから入る。この写真を撮影した日は冬至に近く、まだ昼過ぎにもかかわらず西日だった。コントラスト高いズミクロンで見るとそんな風に写らないところがすごい。

2008年01月01日記

2015-12-19 | Posted in 甘露PHOTO日記Comments Closed 

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