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借りてきたDVDで「横道世之介」を観た。いい映画だった。
大きな事件は起きない。日常のエピソードが積み上がっていく感じの映画。それだけに描写の説得力が必要だけど、とても「説得」された・・・。描かれているのは昭和が終わりそうな頃。どうやら原作者とワタシは同い年らしい。絵から妙な何かがにじみ出ている気がしたのはそのためだろう。昭和62年に18歳で大学に入学した人たちの群像が描かれる。その輪の中に横道世之介は居た。彼はこの物語の主人公だが、長崎から出てきたごく普通の人。正直者で人との距離の取り方がほかの人と違って少し近い。ちょっと変わっている、と言われればそうなのかも。
大学生ってまだ働いていないから何者でもない。でも、数年のうちに自分で就職先を決めて自立への道を切り開いていかなきゃならない。そういう将来への漠然とした不安はあった。それまでは試験でその先を決めていたものがそうではなくなる最初の機会だ。
作中で横道世之介の友達になった人たちが15年くらい経ったあとに彼との思い出を語るシーンがある。もちろん、すでにそれぞれがそれぞれに生き方を決めて生活している。そのうえで、学生の頃に一緒だった横道世之介ってちょっと変わったやつがいたっけなぁ、って笑顔で振り返っている。
大学生の頃の記憶も徐々に遠く甘く霞んでるようになってしまったが、こういう映画で再現してもらうと当時の「空気」くらいはなんとなく思い出す。シモキタって当時からあんな感じだったんだっけかな。通学ルートの途中にあったが、なぜかワタシにはあまり縁のないエリアだった。あの時はそれこそ毎日のように会っていた人たちだったが、卒業したらほとんど会わなくなるんだな、って、その時もしばらくしてからも案外気が付かない。で、ある時急にもうあんな時代は自分には二度とやって来ないことに気がつくわけだ。切ないねぇ。
作中の横道世之介はワタシと同い年。描かれる背景もちゃんと昭和62年を再現していて、これはかなりすごい。映画全体の説得力にしっかりつながっている。AXIAというカセットテープの広告写真に斉藤由貴さんが写っていたり、街を歩く女性の髪型がちゃんと「昭和」になっている。出ている役者さんはもうおなじみの人ばかりで、特に高良健吾さんと綾野剛さんのシーンはみんな面白い。監督は沖田修一さん。「南極料理人」のたんたんとした時間を描く物語が好きな人ならこの映画もはまるんじゃないかしら。
7107歩 4.26km 60分 380.2kcal 15.5g

2014-02-04 | Posted in 甘露日記Comments Closed 

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