大市会


朝から快晴。北風が吹いて涼しい。
オヤジは朝から神保町へ行っている。今日は大市会の下見日。ワタシはいつものように荷造り作業をしてから電車に乗った。
車中では「土地の神話」を読み終わった。「田園都市」はイギリス・ロンドンの郊外に建設されたものがモデルとされる。日本に移植される際にイギリスの思想とは違ったものに変化した。現象として日本初の”地上げ”がここで行われた、と筆者は書く。農地だった場所を買取り、宅地化し、線路を引いて鉄道を通すことで土地の価値が上がる。いつか飽和するこの手法だが、この本が書かれて24年経った現在、「再開発」という手法で再び地価を上げる方向にベクトルは向かっている。
そう。この本に書かれているのは24年前の事情なのだ。当時、バブル経済の待っただ中。そのため、いずれ土地価格は暴落する、ということは露ほども書いていなかった。日本の土地価格を合計するとアメリカの土地価格の2倍あった、なんて最後に書いてあったりして、土地に価値が出るのは日本の特殊事情というのがこの本の結論っぽかった。
大市会会場。古書会館は本で満ちていた。大市会でしかなかなか見ることのない本も並んでいる。ひさしぶりに深瀬昌久さんの「父の記憶」を見た。
店に戻る。荷造り作業の続き。本の整理。明日は買取りの予定も入っている。なるべく本の整理を続けた。
仕事を終えてから、借りてきたDVDで「エレファント」を見た。ガス・ヴァン・サント監督。アメリカの高校で起きる銃乱射事件が題材。それをドラマにはせず、まるでドキュメンタリーのように撮影した作品。そのため、登場人物も主人公やヒロインが居ない。まるでカメラが事件を記録するために密着取材でもしていたかのようなフィルムになっていた。
「桐島」が語られるときに宇多丸さんも真っ先にこの「エレファント」を挙げていたため、どんな映画だろうか、とずっと思っていたが、同じ時間をそれぞれ登場人物ごとに違った立場から撮ることで、一直線に進んでいく時間を多角的・立体的に表現していた。ただ、それが映画的にどんな効果を生んでいるのか、についてワタシはよくわからない(^^;。まあ、セリフらしいセリフもストーリーらしいストーリーもないため、誰か主人公を決めてしまったら事件そのものの距離感がカッチリ決まってしまうためなんだろうな、って思う。
題名の「エレファント」には、象を見たことのない人に言葉だけで象を説明出来る人はいない、という意味が込められているらしい。「群盲象を評す」ということわざもあるそうな。確かに、どうして高校生が学校で銃を乱射したのか。誰にも説明できないだろう。
それぞれの時間軸が同時並行的に進んでいって、最後に放課後の屋上で一点に集中することで「事件」が起きる。「桐島」のクライマックスだ。あの時、スクールカーストは入れ替わり、意識に”革命”が起こった。「エレファント」ではそれが暴発と破綻という形で終わる。日米高校生対決は勝負あったネ。
4541歩 2.72km 43分 225.2kcal 5.4g

2012-09-26 | Posted in 甘露日記Comments Closed 

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