「桐島、部活やめるってよ」


昨夜、レイトショーで見に行った映画がとても面白かったので備忘程度に感想を書いておきたい。
高校2年生のクラス。学年で目立つ存在だった桐島が部活をやめるらしい、という噂が広がる。そういえば桐島を見たヤツが誰もいない。いつも一緒にいた親友も、彼女も、ケータイをかけたりメールを出すが、出ない返事がない。
桐島はバレー部所属で、大きな大会へチームが勝ち進められるのも彼の活躍があってこそ。その彼が部活をやめることで部員たちに動揺が広がる。代わりに起用された男子はどんなに頑張っても桐島の抜けた穴を埋められず、チームは敗退する。
あんまり面白かったので、いろいろとレビューを読んだ。作品の解釈で「ゴドー」からの引用や「桐島はキリスト」って設定など、興味深い指摘もあり、なるほど、と思わされた。が、そういう知識がなくて見てもこの映画はとても面白い。
学年で一番の男子が居なくなることで、そのまわりに居た人たちのバランスが崩れ始めた。なんで連絡がないのか、から始まり、なんで学校へ来ないのか、なんで姿を見せないのか。彼らは明らかに学年で一番の存在に依存していた。
映画部に所属の二人。クラスでは冴えない男子としてからかいの対象になっていた。先生の言いなりに撮った映画は一次審査を通過したが二次で落選。全校集会では嘲笑の的になった。こんなの撮ってても面白くない。ぜひ続編を撮らせたいとゴリ押ししてくる先生の書いた脚本を無視して、自分たちの撮りたいホラー作品を撮ろうと決心する。
桐島の親友は何をやってもだいたいうまくやれるキャラで、スポーツも勉強も得意。野球部に入っていたがヤル気が起きずに出ていない。実力はあるらしく、先輩から試合に出てくれと事あるごとに懇願されている。目元涼しくスラリと長身の好男子。あまりふさわしくない”見た目だけ”の彼女がいる。が、一緒に居ても彼女の方が彼への好意が強くて彼は少し引き気味になっている(なんでそんな子と付き合ってるのか?)。
桐島が消えて、取り巻きは混乱するが、映画部の二人は我道を彼らなりに楽しそうに(?)にこなしている。映画撮影は紆余曲折を経ながらも進行している。桐島からはなんの影響も受けていない。ところが、混乱した桐島の取り巻きが映画撮影中の彼らの写場へと”土足”で踏み込んでくる。ここが映画のクライマックス。(以下略
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映画部の二人はある程度諦めていた。やはり男である以上は女の子にモテたい。それは容姿の関係でかなわなかったが、ロメロばりの撮影法を実践してしまえる映画についての知識と技量は持っていた。
一方の桐島チーム。学年で一番の男の親友だという威勢と自信を誇っていたが、いざ桐島が居なくなった時には”自分”の押しはそこそこカッコよくて彼女も居る、くらいのことしかなかった。何より自分にはこの世界に心からやりたいと思えることが何もない(!)。その残酷さ。彼はまわりの皆がダサいと思っている映画部の二人に生きていく力で勝てないことに気がついてしまった。
桐島の消えた理由はなんだったろう。映画では一切描かれない。いつの間にか増えた自分の取り巻きを支えることの無意味さに気がついたからだ、とワタシは思った。
「この映画自体が青春映画の批評だから」という評価も読んだけど、そこまで深く掘り下げるのは批評家の仕事(^^;。ワタシは高校生あるある映画として楽しませてもらったし、感動させてもらった。
一つ、疑問。「オッマタ~」の彼。ものすごくイイ味だしてて大好きなんだけど、彼をブ男に設定にするのはやっぱり映画的には絶対なのかしら。カッコよくて女子にもモテモテの男が「オッマタ~」だとやっぱり映画にならないのかなぁ・・・。
もう一回見たいけど、それはDVDを待つことにしようっと。
1115歩 0.66km 11分 52.7kcal 1.3g

2012-09-17 | Posted in 甘露日記Comments Closed 

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