はしご


金曜、明古。
来週は古書会館が夏休みのため交換会もお休みとなる。買い溜めしておかなければ、という気分だった。
先週が家族旅行だった関係で、発送荷物はほとんどなかった。オヤジから渡されたオークション出品荷物に一通り仕事をかけているうちに出る時間となった。
車内では引き続き「博覧会の政治学」をよむ。博覧会と帝国主義の関係について論じられていた。そもそも博覧会の起源は列強が植民地から取り寄せた珍奇なモノや人を見世物として見物するまなざしだった。当時の人類学的観点からか、その植民地で”未開”とされた人たちを集落ごと博覧会会場に持ってきて”展示”する、なんてことが実際に行われたらしい。連れて来られた人たちは開催期間中はその会場内に再現された村で暮らし、昼間は訪れた観客のまなざしに晒される。人間動物園としか表現できない行為だが、当時なんの違和感もなく万国博覧会が開催されると何度も行われていたという。最も未開(とされている人たち)から順に並べられ、見物人は展示されている人を見て自分の優位を確かめるという極めてイデオロギー的な内容だが、それが20世紀の初め世界のアタリマエだったということを、我々日本人は知らなければ、と思う。
入札を済ませてから昼飯を食べに出る。すずらん通りにある中華料理店へ。ずっと前から食べたかった冷やし中華を食べた。神保町で働いていた頃からの憧れだった。お値段は高かったが、黒酢を効かせたスープもうまくて美味だった。
いったん店に戻るため地下鉄に乗る。本の記述は日本で開催された70年の大阪万博の話へ。戦前までの帝国主義的世界観はなくなり、テーマはお祭りとなっていた。観客動員は会期中のべ6000万人と過去最大で、連日押すな押すな状態だったらしい。曰く、2時間待って5分で通過(^^;。並ぶために行ったのだろうか・・・。
開催は政府が音頭を取ったが、ここで実際にパビリオンを展示したのは大企業だった。博覧会は政府主導から企業主導へとはっきり転換していた。これはつまり、企業の広告の役割を果たす装置に博覧会の性格が変わったということだった。消費社会は現実のものとなっていた。
アメリカで開催された博覧会のパビリオンの演出を引き受けたディズニー社は、現在もディズニーランドのアトラクションとして稼動している「イッツアスモールワールド」などを出展する。ここに至り、博覧会はテーマパークへと進化(?)を遂げた。
万国博覧会の余興として始まったオリンピックが万博の存在感を引き継いでいく、ということが指摘されて、この本は終わっていた。読了。かなり示唆に富んだ濃い内容だった。
クルマで神保町へ。荷物を積んで帰路。途中五反田へ寄り、入札会に参加する。夕食後、オヤジの手伝い。オヤジが引き受けた本の仕分け作業。仕事をしながらずっとオヤジは機嫌が悪かった・・・(^^;。
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2006-08-11 | Posted in 甘露日記Comments Closed 

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