スワン


朝から暑いものの、湿度は低め。
そのためか、窓を開けて扇風機を回せばクーラーをかけるほどではないと思った。
「今日はどこへ出かけようか」と朝からあれこれと話をする。こう暑いとプールへ行きたいなぁ。昼下がりのビールも夏っぽくていい。と、楽しみは勝手に広がっていく。ところが息子の骨折が未だ治っていなかった。ギプスは包帯で巻きつけられたままだった(^^;。結局プールのあとの生ビール構想は破れたが(^^;、かといって何処にも出ないのでは運動不足も心配だ。近所の散策をしよう、ということになった。
息子の希望が「ボートに乗りたい」という事だったので、近場の洗足池に行ってみることに。普段、神保町へクルマで行くときには必ずその横を通っている。ところが、駐車スペースが狭いので途中寄ることはもとより、一度もゆっくりと見物したことがなかった。
散歩を兼ねていることもあり、一駅分歩く事も忘れずに、目黒線で1本の大岡山駅で降りた。駅の真ん前に大学があるので学生街と思いきや、周辺は田園調布や自由が丘の流れを汲んだ山の手の高級住宅街だった。駅前の商店街はすぐに途切れ、住宅街を歩いた。子供たちが飽き始めた頃ちょうど洗足池に到着。池のほとりに出るなりさあっと涼しい風が吹き抜ける。
段々橋を渡る。橋の周りには鯉が一杯。えさを求めて鴨やミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)も寄ってくる。丸々と太った鯉は人間に対する警戒心は全くなく、競って折り重なるようにしてえさをねだった。フライでもひょいと投げ入れればものすごいバトルがすぐに始まるはずだが、この池は釣り禁止だった。
池の周りにはあまり高い建物がなく、ぐるっとほとんど緑で囲まれている。奇跡的に?と思ったが、大田区の風致地区に指定されているためなのかもしれない。道の傍らに看板。「○○建設が計画していたマンション計画は皆様の反対意見のおかげで白紙撤回するとの報告をいただきました。今後は1戸建てを中心とした分譲を考えていくそうです」と書いてある。なるほど、計画は持ち上がっても住民の皆さんが建設反対運動をしてこの景観を守ってくれているのか・・・。そう、景観とは守らなければビジネスに食い尽くされる脆弱なものなのだ。
池の縁を歩いてボートハウスへ。ローボートは3人が定員で乗れず。仕方なくスワンの足漕ぎボートに乗る事となる。1時間1300円。それなりの値段。
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ボートに乗って池に漕ぎ出した。
最初はあまり涼しくなかったが、池の真ん中あたりまで来ると風が吹き出した。ボートの向きを変えることでかなり涼しく感じられる。こりゃあいい。池の隅のほうまで漕ぎながら回る。樹木がせり出して岸だけの場所もあれば、遊歩道で水辺まで歩ける場所もある。ザリガニ取りをしている子供たちがいた。風景の向こう側にビルが顔を覗かせないから、なんだかワタシが子供の頃の風景を見ているような気持ちになる。都会の真ん中にこんな風景が残っている奇跡。いや、奇跡は守られているのだった。そう考えるとちょっと感動ものかもしれない。
1時間ほどボートの上で涼んで下船。すぐさま娘の「おなかすいたー」が始まる(^^;。道の向こう側にあるバーガー屋さんでテイクアウトして、コンビニでペット茶を買って池のほとりで遅い昼飯。お茶をゴクゴクと飲んで一気に空っぽとなった。よく飲むねー。気温が高いからしょうがない。
息子のたっての希望で中原街道沿い北千束の交差点にある大型スーパーへ。ここも普段はいつも通っているけど一度も入ったことがない店だ。1階は食料品店。2階にいろいろと生活雑貨が置いてあった。アウトドア関係が充実していて独自の品揃え。ネットで倍以上の値段になるものが平気で積み上がっていたりする。リアルも本当は強いんだけどな。そろそろネットの弱点が語られてもいい頃だと思ったり。
2階で安売りシーツを買ってから1階で再びペット茶を買って飲む。道を挟んで向こう側にあるBに入り何点か仕入れ。ワタシたちがいる間レジが回ることはなく、持込みする人だけが何人か。店内はマンガを立ち読みする人ばかりだった。最近マンガが売れなくなったと聞くが、その原因がわかった気がする。まるで無料マンガ図書館だ。こんなことされちゃあ立ち読みが習慣化してしまう。確かに売れなくなるわけだ。
商店街を歩いて駅。駅舎の3階に100円ショップ。息子のたっての希望で行ってみると、規模が大きい。あれもこれも100円?うーむ、これじゃあ既存の商店がダメになるわけだ。
世の中の現状を知ると結構コワイと思えるコトが多くなった。新しいビジネスの台頭で既存の価値観が更新されていく。その更新のされ方がいかにもPOS的というか、数字のいいものが残されて数字のダメなものはさっさと切り捨てられてる気がする。そんなに簡単に、何の愛惜の念もなくバッサリと割り切っていいのだろうかと思った。
一度店に戻ってから夕食を食べに近所のファミレスへ。安セットを食べる。店内は休日ということもあって次から次へとお客さん。まあウチも人のことをとやかく言えないが、休日は食べに出るのが習慣化してしまったのだろうなぁ。
流されているかもしれない、という自覚はある。だけどそれに抗う力は持てないのだ。恐ろしい。
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2004-07-18 | Posted in 甘露日記Comments Closed 

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