1日店


いい天気(^^)。1日店でシコシコと仕事。

夕刊のコラムに目が止まった。「わかりやすいことはいいことか」という題。ドイツの哲学者の言葉らしい。
現代社会で”わかりやすい”というのは売り文句になる。日日のニュースをわかりやすく解説するニュース・ショーは人気が出る。”わかりやすい”ことが人々に受けいれられているのはまず間違いない。
ところが、ドイツの哲学者は「わかりやすいということは、わかりにくいことを隠すことだ」と言う。実際の世の中は複雑怪奇でわかりにくいものなのだけれど、それがわかりやすい形で提供されているということは、わかりにくい部分を隠しているだけだ、と言うのだ。

我々は日日世の中で起きている事件を実際に目にする事はほとんど無い。ニュースや新聞などで知るのみだ。本当の事実は当事者しかわからないのが当たり前だが、それではニュースにならない。実際に起こった事件を取材し、報道する人が居る。我々はメディアを通してのみ事件を知る。メディアに触れない限り、自分の身の回り以外の出来事を知ることは難しい。
取材した素材をTVでそのまま流すことはまず無い。放送前に内容を”わかりやすくする”ための編集作業が必ず入る。この”わかりやすく編集”されることが現代人から考える力を奪っているのではないか、というのがこのコラムの主旨だ。
「自らの努力で、もう少しわかりにくい部分をそれなりにわかろうとしないと、本質からは、どんどん遠ざかることになる。(中略)自らが、理解したうえで、やさしさを獲得し、自らの手で安心・安全を獲得しないといけないのだが、それは他人がしてくれるものであって、自分はそれを享受すればいいということが根底にある」と手厳しい。

わかりやすいニュース・ショーが、もし、誤った報道をしていたとしたらどうなるか。事の本質に自分から迫ろうとしない人は、そのデマゴギーに簡単に騙されてしまうだろう。わかりやすいニュース・ショーが起こしたダイオキシン報道による風評被害は記憶に新しい。

・・とはいえ、自分で何もかも判断するには大変な労力と勇気が要ると思うし、メディアなしの状況では実際には無理だ。どうしても報道から素材を抽出し、自分の価値判断に照らして情報を取捨選択していく以外に方法は無い。

”わかりやすい”ニュースを喜んで見ているととんだ落とし穴が待っている、とちょっと怖くなりながら・・・(^^;。

2003-10-30 | Posted in 甘露日記Comments Closed 

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