市場をはしご


今日は愛書会目録の締切日。

朝から荷造り作業で忙しい。11時過ぎに郵便で目録からのご注文葉書と前金ご入金のお知らせが舞い込んでさらに忙しい。いつもお買い上げありがとうございます。母親にも手伝ってもらい、なんとか12時半に店を出て神保町へ向かう。

まずは入札。と思ったけど、昨日大量に落札した荷物が脳裏をかすめた。”押さえ気味にしよう”そう思った瞬間からスッと気持ちが抜けてしまった。眼に本が入ってこない。入札ってメンタルな部分ととても密接な関係があるんだな・・・。

「昼飯どう?」と誘っていただいたので、ご一緒する。普段牛丼が多いからちゃんとした昼飯はひさしぶりだな(^^;。偶然にも8年前にワタシが明古経営員になりたての頃、前日荷受けのあとによくお食事をご馳走になったお店だった。当時の明古会長さんは現理事長さん。もうあれから8年経つのか。お店はあの時のまま。我々は変わったな。

南部入札会の下見時間までまだ間があった。少し歩きたくなって錦橋を渡って皇居前へ出る。ローライ35を片手に歩きながらこの8年で何が変わったかをボーっと考えていた。
オヤジは8年前も今も変わらずこつこつと働いている。最近は店売りが悪くなってきたから、2ヶ月に1度の愛書会展に力の大部分を傾けている気がする。
8年前。ワタシは毎日市場へ通っていた。とにかく売れる本を知りたかった。何が売れる本なのだろう。どうしてお客様はこの本を欲しがるのか。そう考えながら市場に並んでいる本の背を見つめた。
失敗することが悔しい性格なので、入札の時に無理して高札を書かずに回数をこなすことで感覚をつかもうとした。もう少し失敗する勇気があればもっと早く自信が持てるようになったかもしれなかったけど、それも含めてワタシの性格だから仕方ない。
この8年のうちに本を取り巻く環境は変わった。景気も下に振れた。その一方でインターネットが普及し、今まで届かなかった方にまで情報を届けられるようになった。

状況は常に動いていく。8年前の自分に今の状況が予想できていただろうか。絶対に考えられなかったはずだ。あまりに先のことを考えると暗くなる。予想できないからだ。
今を前向きに生きるには、今日1日をどう過ごすか、今をどう生きるか。結局これしかないだろう。

気が付けば銀座まで歩いていた。東銀座駅から地下鉄に乗り、五反田へ向かった。

2003-10-10 | Posted in 甘露日記Comments Closed 

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