戦利品


今回の七夕大市。運営のみで参加してはもったいない。

前にも書いたが、こういう機会にしか市場に出てこない品物があるからだ。

七夕大市は下見期間を二日間設け、お客様に直接品物を吟味していただくシステムを取っている。直接現物に触れられる良い機会でもあり、期間中は沢山の方がご来場された。博物館や文学館に収められてしまっては、見ることは出来るものの、触ることなど決して出来ない(増して無料で見られない(^^;)だけに、もっと活用してもらいたいと思う。

今回は室生犀星氏の日記や娘である朝子さんへの葉書が出品され、その佇まいに見惚れた。味のある文字と文章。「ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの」という詩句を綴った作者としての貫禄か。あれこれ見ているうちにどれか一点は欲しくなり、好きな食べ物のことを400字詰め原稿用紙に書き記したものを落札した。ほかはとても考えられないような値段で取引されていた。
今度金沢で犀星記念館がスタートする。先日はその目玉となるであろう「抒情小曲集」稿本の実物を見たばかり。ワタシの人に影響されやすい性格はこういうところにも顔を出す。

6年ほど前に扱ってすぐに売れてくれて以来、良い印象が残っていた「マルドロオルの歌」には駒井哲郎氏の銅版画が6枚入り。昭和27年刊とは思えない重厚な装丁はいつ見ても好もしい。この本はたびたび大市で姿を現したのだが、いつも思っている値段の少し上で落札されてしまい、縁が無かった。今回は”何故か”ウチに落ちてきた次第。お久しぶり(^^)。

昨年はとある専門店と札がぶつかり、上札で落札を強いられた尾崎喜八さんの草稿を今年も落とした。ワタシは山の本のことはあまり知らないのだが、オヤジがずっと扱ってきたジャンルで、最近よく山へ出かけていることから、山岳関係の第一人者である尾崎さんはいつも気になる存在だ。

もう1点、これは記念すべきワタシがお客様よりのご注文品を入札して落札できた初めての品物。福永武彦氏の書簡であった。本日、お客様がご来店され、早速納品させていただいた。とても喜んでいただけたと伺った。ありがとうございました。

この書簡以外はすべて手張りで買ったものだ。売れないことを考えてしまうと何一つ買えなくなる。意識だけでも攻めに出ないと、こういうご時世は乗り切れない!

とイキオイを付けときましょう(^^;。

2002-07-08 | Posted in 甘露日記Comments Closed 

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