シブヤ系古書店


朝起きたら朝刊を広げる。

いつものように後から。最近は一面に暗い話題ばかり載るから読みたくないのだ(^^;。すると、「TOKYO発」という特集頁に大きく、見慣れた顔をした若者が本に囲まれて写っていた。彼は記者のインタービューに答える。「『読む本』よりも、『見て楽しい本』を売りたい」

「ここ数年で5、6店が(渋谷から)移転したり、店をたたんでしまった。ジャンルを問わずに何でも売るだけの店は生き残りにくくなっている」と彼は渋谷での古本屋経営の難しさを語る。確かに渋谷は繁華街で、既存の小規模な書店よりも進出してきた大型書店が派手に客を囲い込んでいる。何か特色を出さなければお客を呼べる店にはなれない、という彼の危機感は状況を的確に分析した結果だったのだろう。

そこで目をつけたのが、若者を意識した「ビジュアル」な店づくりだった。実際にこの写真には、彼を取り囲むように50年代から70年代のアメリカやフランスのファッション雑誌やカタログが置いてある。なるほど。

ターゲットは10代から20代の若者で、「彼女にプレゼントしてかっこいい本」とは彼らしいコメントだ(^^)。彼は渋谷のんべい横町にあるバー兼古本屋の「Non」を経営するご主人と懇意で、将来渋谷の持つ様々な文化と古本を組み合わせる構想を練っているという。なかなか。

実は彼とは普段から市場で一緒に働いている。明古が終わったあとなどに「甘露さん、今日はこんなの買っちゃいました」とあれこれ本を見せてくれる。それはたとえば昔の紙芝居だったり、昭和初期の風俗を裏側から紹介した本だったり、どこか一癖ある面白いものが多い。ごく当たり前の本に目が行く自分と比べるとやはり目の付け所がイイ。
「シブヤ系の古本屋を目指します!」が彼の口癖。その実力はこうして新聞に取り上げられるまでになった。すばらしい。

「欧米では映画館や劇場に近接して関連の古本屋がある。渋谷にも映画館、劇場、ライブハウスがあり、可能性はあるでしょう」と、彼の構想は広がる一方のようだ。「装丁や印刷の色使いが、その時代を感じさせ、今の若者に新鮮に映るもの」を中心に彼が厳選した品物が棚にぎっしり詰まったお店が渋谷にある。

興味ある方はぜひ、渋谷道玄坂にある「渋谷古書センター」二階フロアへ。井の頭線渋谷駅改札から246方向へ歩いてすぐです。

2002-02-13 | Posted in 甘露日記Comments Closed 

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