2週間ぶり


先週の金曜日が文化の日で明治古典会がお休みとなったため、今日は二週間ぶりの開催となった。

休み明けの品物の出方に内心ひやひやしていたが、今日はそれほど嵩の多い市にはならなかった。しかし、一口良質の文学書が出品され、高値を呼んでいた。
これが困りものなのだが、二週間ぶりの開催というマイナス要素が微妙に顔を覗かせた結果か、出品元のわからない品物が2件出たりして、多少混乱。

最終の赤毛氈に夏目漱石の坊ちゃんが並んだ。何だ珍しくないじゃないか、と言うなかれ。この本は著者夏目金之助氏から漱石研究で著名な小宮豊隆氏へ献呈された本なのだ。見返しに本人の筆でそう書いてあるのだから間違いない。

この市場にかかわっていると、現在では歴史上の人物となってしまった人の足跡を一瞬でも垣間見ることが出来る。今日はこうして日本を代表する文豪夏目漱石とふれあうことが出来た。作品を読み込むことで著者の思想の足跡を辿っていくことはもちろん大事だが、漱石という人物そのものがありありと目の前に立ち上がってくるような経験には至らない。流布されている文庫本は出版物といういわば法律で許されたコピーでしかないからだ。こうして彼その人が実際に著書に書き付けた墨の跡を見られるのも、古本屋をやっているから出来ることと思う。

今日から新しい経営員としてH書房のHくんが加わった。どうかよろしく!

2000-11-10 | Posted in 甘露日記Comments Closed 

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