前日荷受


明日は金曜日で明治古典会である。先週から予告があったのだが、”タウンエース3台分”の一口ものが入荷した。このタウンエース3台という分量がちょっとわかりにくく、「たいしたことない」という予測が大方をしめていた。しかし、今日運び込まれてみてビックリ。「どんなタウンエースなんだよ!」というくらいすごい分量。2トントラック2台分くらいの荷物が、たっぷりと古書会館1階のすべてを占拠した。

本はいわゆる性風俗関係に見るべきものがあり、仕分け作業は順調に進んだ。ワタシはその横で仕分けられた本をしばり、入札用封筒をつけていく。

壮観な風景だ。いままで何十年ものあいだ、倉庫でほこりをかぶっていた”紙のかたまり”が再び日の目をみて、われわれプロの目に晒されて本として世に送り出される瞬間に立ち会っているのだ。

「書棚をみればその人がわかる」という。たしかに集められた本にはその人の考え方すべてが反映されているといっても過言ではない。昭和30年代から40年代の本が中心だが、戦前に発行された本も少なくない。それは性風俗関係から東京、大阪の地方史、果ては、当時の風俗全般に及ぶまで広がっていく。まさにこの本の塊の中にはひとつの宇宙がある。この本をすべて読破したとしたら、それだけで博士になれるだろう。何博士になるかは知らぬが。

データベースという言葉を聞けば、インターネット世代ならばパソコンでアクセスして・・・、となるだろうが、かつては本そのものの蓄積がデータベースだったのだ。いや、現在だって本で得られ蓄積された情報なり知識が現在のデータベースにつながっているのである。
日の当たらない薄暗い書庫でこの本たちは、蔵書家のデータベースとして一時期を確実に過ごした。それが再びまた必要としている人の許へ市場を介して散らばっていく。その”現場”に立ち会える面白さは、ここにはとても書き尽くせない、とだけ書いておきます。

2000-08-24 | Posted in 甘露日記Comments Closed 

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